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追突事故に遭ったときに気を付けるべきこと

2020-08-17

交通事故の中でもっとも多い類型は「追突事故」です。警察庁が1年に1度交通事故に関するデータを公表していますが、自動車同士の交通事故では毎年「追突事故」の件数が最多となっています。

 

自分が注意していても、後方車の不注意で追突事故に巻き込まれる可能性がありますし、歩行中に追突されるケースもあるのでどなたにとっても他人事とはいえません。

 

今回は追突事故に遭ったときに知っておくべき知識を弁護士が紹介していきます。

 

1.現場での対応

追突事故に遭ったら、すぐに車の外へ出て加害者が出てくるのを待ちましょう。

もしもひき逃げされたら、すぐに相手のナンバーや車種を記録してください。

 

相手が出てきたら、散らかった破片などを拾い現場を片付けます。さらに三角表示板を置くなどして、二次被害を防止しましょう。

また必ず警察を呼ばねばなりません。交通事故の当事者(車両運転者や同乗者)が警察を呼ぶのは法律上の義務ですし、警察を呼ばなかったら自動車保険の利用が難しくなってしまう可能性もあります。

 

警察が来たら実況見分に立会い、事故の状況を詳しく伝えましょう。

加害者と連絡先を交換し、加入している保険会社も聞いておくようお勧めします。

 

2.追突事故の過失割合

追突事故では、基本的に後方車の過失割合が100%となります。

ただし以下のような場合には前方車両にも過失割合が認められます。

2-1.急ブレーキをかけた

前方車両が急ブレーキをかけると非常に危険です。不必要に急ブレーキをかけて交通事故を引き起こしたら、前方車両に過失割合が認められ、前方車両:後方車両=30:70となります。

 

2-2.急ブレーキに至らない程度の減速をした

急ブレーキとまではいえないけれども減速をして後方車両にプレッシャーを与えてしまった場合、前方車両にも過失割合が認められます。過失割合は前方車両:後方車両=20:80となります。

2-3.駐停車禁止場所に駐停車していた

前方車両が駐停車していた場合、基本的には過失割合が認められません。ただし駐停車禁止場所に駐停車していた場合には前方車両にも過失割合が発生し、前方車両:後方車両=10:90となります。

 

以上のように、場合によっては追突されても過失割合が認められる可能性があるので注意しましょう。

 

3.保険会社が示談を代行してくれない

追突事故で被害者の過失割合が0の場合、保険会社は示談交渉を代行してくれません。被害者の「対人対物賠償責任保険」が適用されないからです。

被害者は自分で相手や相手の保険会社と話をしなければなりません。そうなると大きく不利になってしまう可能性が高くなるので、困ったときには必ず弁護士に相談しましょう。「弁護士費用特約」を利用すると弁護士費用がかからないので、入っている方は必ず利用しましょう。

 

4.追突事故では「むち打ち」になる方が多い

追突事故の被害に遭うと「むち打ち」になってしまう被害者の方がとてもたくさんおられます。

むち打ちとは、頸椎がゆがんで損傷を受けてしまったことによる症状の総称です。後ろから強い勢いで追突されると、一瞬頸椎がS字型にゆがんで中を通っている神経が損傷してしまいます。すると損傷の程度や部位により、さまざまな症状が発生します。

 

むち打ちのよくある症状は以下の通りです。

  • 肩や背中の痛み
  • 肩や背中のコリ
  • 首の痛み
  • 首を動かしにくい
  • 腕や肩のしびれ
  • めまい、耳鳴り
  • 全身のけだるさ
  • 頭痛、頭重感

 

正式な診断名は「頸椎捻挫」「外傷性頸椎症候群」とされるケースが多数ですが「バレ・リュー症候群」「椎間板ヘルニア」「脳脊髄液減少症」が原因となる場合もあります。

追突事故でむち打ちになったらまずはしっかり検査を受けて原因を特定し、状況に応じた治療を受けましょう。

 

事故現場では痛みを感じないこともある

追突事故でむち打ちになっても、その場では痛みを感じない可能性があります。事故当時は興奮状態になっていますし、むち打ちは後から症状が出てくるケースがあるためです。

事故後しばらくして首や背中、肩などに違和感を感じたら、必ず病院に行って検査を受けましょう。

むち打ちの場合でも後遺障害が認定されて100~300万円の後遺障害が払われるケースが少なくありません。そのためには「症状固定」までしっかり通院を続ける必要があるのです。

 

 

追突事故に遭われた場合、事故当初から適切な行動をとる必要があります。対応に迷われた際にはお早めに弁護士までご相談ください。

ひき逃げに遭った場合の対処方法

2020-07-27

歩行中や自転車乗車中に「ひき逃げ」に遭ってしまったら、混乱して頭が真っ白になってしまうものです。

まずは相手に賠償金を請求するためできるだけたくさんの証拠を保全して、すぐに警察を呼びましょう。

 

今回はひき逃げに遭った場合の対処方法について、弁護士が解説します。

 

1.ひき逃げ現場ですべきこと

ひき逃げに遭ったら、まずは以下のように対応しましょう。

1-1.相手の車両のナンバーを控える

ひき逃げ事故が発生したら、まずは加害者を特定しなければなりません。加害者が判明しなければ損害賠償請求も難しくなりますし、刑事事件で処罰を与えてもらうことも不可能だからです。

相手を特定するには、相手車両の「ナンバー」が重要ですので、正確に記録しましょう。写真はぶれて判読が困難になる可能性があるので、必ず「メモ」をとるようお勧めします。

 

1-2.相手の車両の特徴を記録する

ナンバー以外の相手車両の特徴も重要です。車種や色、傷や飾り、内装などできるだけ細かい部分まで記録しましょう。写真撮影とメモの両方で対応するようお勧めします。

1-3.目撃者を探す

ひき逃げが発生した場合、目撃証言が重要な役割を果たすケースが少なくありません。被害者が気づかなかったことを目撃者が把握している可能性もありますし、加害者が見つかった後、目撃証言によって相手の嘘を崩せるケースもあります。

周囲に事故を見ている人がいたら、声をかけて後ほど協力してくれるようお願いし、連絡先を聞いておきましょう。目撃者を後日に探すのは簡単ではないので、できるだけその場で確保する必要があります。

 

1-4.現場の状況を記録する

軽傷で自力で動けそうなら、事故現場の状況を記録するようお勧めします。スマホで写真撮影したり、気づいたことをメモしたりしましょう。

 

1-5.すぐに警察を呼ぶ

ひき逃げ被害に遭ったら、必ず警察を呼んでください。警察を呼ばないと「交通事故証明書」が発行されません。また加害者を探すのも警察の役割ですし、警察が事故現場を検証したら「実況見分調書」が作成され、後日事故状況を証明するのに役立ちます。

軽傷で急いでいてもその場を立ち去らずに110番通報してください。

 

1-6.周囲の人に助けを求める

自分では動けないほどのけがをしたら、周囲の人に助けを求めましょう。「ひき逃げです!」と言って周囲の人に加害車両の特徴を記録してもらい、応急処置や救急車の手配をお願いしましょう。

 

2.その後の対応

事故現場での対応が一段落したら、次のように行動してみてください。

2-1.病院へ行く

軽傷の場合、あえて病院に行かない方もおられますが必ず病院に行って診察と検査を受けるべきです。気づいていなくても実はけがをしているケースが少なくないためです。

またけがをしても病院に行かなければ入通院慰謝料も払ってもらえなくなります。

受診科がわからなければ「整形外科」に行ってみてください。

2-2.保険会社へ連絡

ひき逃げに遭ったら、自分の加入している保険会社で「人身傷害補償保険」「搭乗者傷害保険」「無保険車保険」などを利用できる可能性があります。「弁護士費用特約」を適用できれば無料で弁護士に対応を依頼できます。

自分の保険会社に連絡を入れてひき逃げされた事実や状況を伝え、利用できる保険がないか相談しましょう。

 

2-3.政府保障事業の利用

ひき逃げで加害者が不明な状態でも「政府保障事業」を利用すれば自賠責保険と同等の「てん補金」を受け取れます。治療費、休業損害、入通院慰謝料、後遺障害慰謝料などが自賠責基準で計算されて払われます。

お近くの損害保険会社の窓口で申請用紙をもらい、政府保障事業の手続きを進めましょう。

 

2-4.加害者が見つかったら賠償金を請求

加害者が見つかったら、加害者の保険会社や加害者本人へ賠償金の請求ができます。

加害者が任意保険に入っていれば保険会社の担当者と示談交渉を進め、保険に入っていなければ加害者本人へ請求を行いましょう。

 

ひき逃げ被害に遭ったとき、お一人で対応を進めるのは不安なものです。不利益を最小限に止めるには弁護士によるサポートが必要といえるでしょう。千葉でひき逃げなどの交通事故に遭ってお困りの方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。

ロードバイクの交通事故における注意点

2020-07-06

自転車を趣味とされる方は、競技用の「ロードバイク」を好んで運転するケースがよくあります。ただロードバイクは通常のシティサイクルよりスピードが速く、車道を走行するため交通事故に遭いやすくなっています。

 

今回はロードバイクでよくある交通事故の原因と対処方法を千葉の弁護士が解説します。

 

1.ロードバイクでよくある交通事故

ロードバイクとは競技用自転車のことです。きちんとブレーキやランプなどの装置がついているものであれば、公道を走っても違法ではありません。

ただロードバイクは最高速度が時速30キロメートルにもなり急に止まりにくく、ライダーが前傾姿勢になって周囲を確認しにくいなど交通事故につながりやすい特徴をもっています。

 

ロードバイクでよくあるのは以下のような交通事故です。

 

1-1.巻き込み事故

四輪車が左折する際に後ろから来たロードバイクを巻き込むパターンです。ロードバイクの速度が速いため、四輪車が「まだ大丈夫だろう」と思って左折するとロードバイクが追いついて巻き込まれてしまいます。

1-2.右折時の事故

ロードバイクが右折する際にも交通事故が発生しやすくなっています。自転車や原付が右折するときには「二段階右折」しなければなりませんが、減速や停止を嫌って車両と同様に1回で右折してしまうロードバイクがあるためです。車にしてみたら、予想外にロードバイクが視界へ飛び出してくることになるので、接触してロードバイクが転倒します。

1-3.信号無視

ロードバイクに乗る人は減速や停車を嫌って信号無視してしまうケースがあります。すると交通事故につながりますし、バイク側の過失割合を高くされてしまうので、信号無視は絶対にしてはなりません。赤信号はもちろんのこと、黄信号でも可能な限り停車しましょう。

 

2.ロードバイクで事故に遭ったときの対処方法

ロードバイクで交通事故に遭ったら、以下のように対応しましょう。

2-1.すぐに警察を呼ぶ

ロードバイクで交通事故に遭ったら、必ずすぐに警察を呼びましょう。交通事故の当事者が警察を呼ぶのは、道路交通法に定められた義務です(道路交通法72条1項後段)。

また警察を呼ばないと「交通事故証明書」が作成されず、保険金の請求などをしにくくなってしまう可能性もあります。加害者が積極的に警察に電話しない場合、自分で110番通報して警察へ事故の報告をしましょう。

2-2.余裕があったら自転車などを片付ける

もしも余裕があれば、ロードバイクを片付けたりして後続車による二次被害を避けましょう。倒れて動けなければそういった対応は不要です。

2-3.実況見分に対応する

警察がやってきたら実況見分に立ち会って事故の状況を説明しましょう。

2-4.相手と連絡先を交換する、証拠を保存する

警察を待っている間や実況見分の間、事故の相手と氏名や連絡先を交換しましょう。自分でも事故現場を撮影などして証拠化しておくと後に役立つ可能性があります。

2-5.病院に行く

ロードバイクに乗っていて交通事故に遭ったら、大けがをしてそのまま病院に担ぎ込まれる可能性があります。そうでなくても事故後は必ず病院を受診して検査や治療を受けましょう。「軽傷だから」などと思って放置すると、予想外に大きなけがをしていて治療が遅れたり後遺障害認定を受けられなくなったりするおそれがあります。

 

3.ロードバイク事故と後遺障害

ロードバイクで四輪車相手に交通事故に遭うと、ライダーの身体が大きく傷ついて後遺障害が残るケースも少なくありません。その場合、自賠責で「後遺障害認定」を受ける必要があります。後遺障害が認定されたら高額な「後遺障害慰謝料」と「逸失利益」が支払われ、不自由な身体になったことへの補償を受けられます。

 

ただし後遺障害認定の手続きには医師との連携や必要十分な検査の実施、資料の提出などの専門的な対応が要求されます。ご自身で対応するよりも弁護士に依頼した方が、より確実に高い等級の認定を受けられる可能性が高くなるでしょう。

 

千葉県でロードバイクの事故でおけがをされた方がおられましたら、お気軽にご相談ください。

もらい事故に遭ったときの対処方法、注意点

2020-02-20

被害者にまったく過失のない交通事故を「もらい事故」といいます。たとえば後方車両から一方的に追突されたケースやセンターオーバーで正面衝突された場合などが該当します。

 

もらい事故の示談交渉では、通常の交通事故とは異なる対応を要求され、被害者が不利になるケースもみられるので注意が必要です。

 

今回はもらい事故に遭ったときの対処方法や注意点を弁護士が解説します。

 

1.典型的なもらい事故のケース

もらい事故は、加害者の過失割合が100%、被害者の過失割合が0%の交通事故を意味する言葉です。

 

典型的な例として以下のようなものがあります。

  • 信号待ちなどの停止中に後方から追突された
  • 交差点で青信号だったので進行すると、相手が赤信号で進入してきて衝突された
  • 対向車両がセンターオーバーして衝突してきた

 

2.もらい事故では保険会社が示談交渉を代行してくれない

もらい事故では、被害者の過失割合が0%なので「過失相殺」が行われません。発生した損害について全額賠償を求められるので、一般的な交通事故よりも賠償金額が高額になりやすいといえます。この点では被害者に有利です。

 

2-1.もらい事故の大きなデメリット

しかしもらい事故には被害者にとってのデメリットもあります。それは「保険会社が示談交渉を代行してくれない」ことです。

通常、交通事故に遭ったら加入している保険会社が示談交渉を代行するため、本人が相手の保険会社と話をする必要はありません。自分が加入している自動車保険の「対人・対物賠償責任保険」が適用されるからです。これらの保険には「示談代行サービス」がついています。

 

しかしもらい事故の場合、被害者側に過失がないので対人・対物賠償責任保険は適用されません。そうなると保険会社が相手に賠償金を払わないので、保険会社は示談交渉を代行できないのです。保険会社が支払いをしないのに示談交渉を代行すると「弁護士法違反」になる可能性が高くなります。

 

2-2.もらい事故の示談交渉は不利になりやすい

もらい事故の場合、被害者は自分一人で賠償金の請求手続を進めなければなりません。相手の保険会社と直接話し合い、示談交渉を進める必要があります。しかし素人の被害者とプロの保険会社との直接交渉では力の差が大きく、被害者側が不利になる可能性が大きく高まってしまいます。

 

3.もらい事故で不利にならないための対処方法

もらい事故の示談交渉で不利にならないためには、以下のように対応しましょう。

3-1.保険会社のいうことを鵜呑みにしない

示談交渉を進めるとき、相手の保険会社から「慰謝料は〇〇円程度、休業損害は〇〇円として計算します」などとさまざまな提案をされます。このとき、相手の言い分を鵜呑みにすべきではありません。保険会社は法的な基準とは異なり独自の低額な基準で賠償金を計算している例が多々あるからです。

 

3-2.賠償金の相場と計算方法を知る

損をしないためには、交通事故の損害賠償金の相場や正しい計算方法を知る必要があります。ご自身で対応するならネットや本でできるだけの知識を集めるしかありませんが、それではどうしても不備が生じるでしょう。

 

賠償金の適正な金額や正しい計算方法を把握するには弁護士に相談するのがもっとも確実です。当事務所でも対応していますので、迷われたらお気軽にご相談下さい。

 

3-3.後遺障害認定を受ける

もらい事故では被害者に後遺障害が残るケースも少なくありません。たとえばむち打ちや骨折にもとづく障害、脊髄損傷や高次脳機能障害など。

その場合、自賠責保険に申請をして後遺障害認定を受ける必要があります。後遺障害認定されると、後遺障害慰謝料や逸失利益が支払われるので賠償金額が一気に増額されます。

ご自身で対応すると適切に後遺障害認定されないおそれもあるので、不安があれば弁護士にお任せ下さい。

 

当事務所では千葉県で交通事故に遭われた方へ積極的な支援を進めております。もらい事故に遭って不安を抱えておられるなら、是非とも一度ご相談下さい。

物損事故から人身事故へ切り替える方法

2020-02-12

交通事故に遭ったとき、事故現場では痛みを感じず「物損事故」として届け出てしまったけれど、後でけがをしていると気づくケースがあります。

そのようなときには物損事故扱いから人身事故扱いへと切り替えをする必要があります。

 

今回は物損事故から人身事故の違いや切り替える方法を解説します。

 

1.物損事故と人身事故の違い

1-1.物損事故、人身事故とは

物損事故とは、車やその他の「物」だけが損傷した交通事故です。車や建物、道路上の設備が壊れた場合だけではなくペットなどの動物が傷ついた場合にも物損事故となります。

これに対し人身事故とは、「人が死傷した交通事故」です。車が壊れたケースでも、人が傷ついたら人身事故になります。

 

1-2.物損事故の場合

物損事故の場合、加害者は基本的に「刑事責任」を負いません。裁判によって裁かれ刑罰を適用されることはありません。また免許の点数も加算されません。

さらに適用される保険は「対物賠償責任保険」のみであり、人身損害に対する補償は行われません。たとえば治療費や休業損害、慰謝料、逸失利益などは一切支払われませんし、後遺障害に対する補償もありません。

 

1-3.人身事故の場合

人身事故の場合、加害者は「過失運転致死傷罪」や「危険運転致死傷罪」などの刑事責任を負います。また被害者の受傷の程度や加害者の過失の状況に応じて免許の点数が加算されますし、「対人賠償責任保険」が適用されて被害者には治療費や休業損害、逸失利益や慰謝料などの賠償金が支払われます。被害者に後遺障害が残ったら後遺障害の程度(等級)に応じた補償も行われます。

 

このように、物損事故と人身事故では加害者にとっても被害者もとってもずいぶん取扱いが変わってきます。本当はけがをしているのに物損事故扱いで済ませてしまっては、被害者が必要な損害賠償を受けられず不利益を受ける可能性もあります。

 

2.警察で物損事故から人身事故へ切り替える方法

交通事故時にはけがをしていることに気づかず後に痛みなどが出てきた場合、警察で物損事故から人身事故へ切り替えることができます。

まずは病院に行って診察や検査を受け、受傷状況について診断を受けましょう。その上で医師に「診断書」を作成してもらい、警察へ持参して物損事故から人身事故へ切り替えたい旨の申請をします。すると、警察で物損事故から人身事故への切り替えをしてもらえて、その後は「人身事故の証明書」を発行されるようになります。

人身事故証明書が発行されれば刑事的にも民事的にも人身事故扱いされるので、加害者が刑事的な処分や行政的な処分を受ける可能性がありますし、治療費などの人身事故に関する賠償金も問題なく支払われます。

 

ただし警察で物損事故から人身事故への切り替えをするには、事故後早い段階で手続きする必要があります。1週間~10日間の間には切り替え申請を行いましょう。

 

3.人身事故の保険を適用するための手続き

交通事故後、時間が経過してしまって警察では人身事故への切り替えを受け付けてもらえない場合でも、保険については人身事故扱いにしてもらう必要があります。そうでないと人身事故に関する治療費や休業損害、慰謝料などの賠償金を受け取れないからです。

保険会社で民事的に人身事故扱いにしてもらうには、保険会社へ「人身事故証明書入手不能理由書」という書類を提出します。この書類を提出すれば、刑事的には物損事故扱いになっていても民事的には人身事故扱いされて対人賠償責任保険や自賠責保険が適用され、治療費などの支払いを受けられます。

保険会社に問合せをして「人身事故証明書入手不能理由書」の書式を送ってもらい、必要事項を記入して返送しましょう。

 

交通事故に遭ったとき、首や腰などを損傷すると外傷がないので、その場では受傷に気づかないケースもよくあります。もしも物損事故として届出をしてしまい、後から痛みが出てきたら早急に物損事故から人身事故への切り替えを行ってください。不安な方は弁護士がアドバイス等行いますので、お気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。

相手が未成年の場合に損害賠償請求できる相手

2019-10-29

 

  • 歩行中、自転車に乗った子どもに衝突されてけがをした
  • 未成年が勝手に親の車に乗って交通事故を起こしたので、任意保険が適用されないと言われた

 

交通事故の相手が未成年の場合でも任意保険が適用されれば保険会社が賠償金を支払いますが、保険が適用されないケースもあります。

自転車に乗っている子どもに衝突されるケースもありますし、任意保険に年齢制限があって未成年者の運転に適用されない場合などです。

子供に支払能力がない場合、被害者は誰に損害賠償請求をすれば良いのでしょうか?

 

今回は交通事故の相手が未成年のケースで誰に損害賠償請求できるのか、弁護士が解説します。

 

1.未成年者本人に損害賠償義務が発生するケースとしないケース

未成年者が交通事故を起こしたとき、本人が責任を負うケースと負わないケースがあります。あまりに相手の年齢が低い場合、未成年者本人には不法行為にもとづく責任が発生しないからです。

交通事故によって発生する損害賠償義務は「不法行為にもとづく損害賠償責任」にもとづいて発生します。不法行為責任を負うには「責任能力」が必要です。責任能力とは、自分の違法行為や発生させた損害について理解できる能力です。責任能力の無い人が交通事故を起こしてもその人には責任が発生しません。

法律では、だいたい12歳程度の知能があれば責任能力が認められると考えられています。

そこで交通事故の相手がおおむね12歳以上であれば相手本人に損害賠償請求できる可能性が高くなりますが、それより小さい子どもが加害者の場合、相手本人には損害賠償請求できません。

 

2.未成年者に責任能力がない場合の親の責任

事故を起こした未成年者に責任能力がない場合には、親に責任を問える可能性が高くなります。

親には「監督者責任」が発生するからです。監督者責任とは、責任能力の無い人を監督すべき立場の人が負う責任です。責任無能力者本人は損害賠償責任を負いませんが、「誰も賠償義務を負わない」とすると被害者の受ける不利益が大きくなりすぎるので「監督者」が代わって責任を負います。

親は子どもの監督者なので「監督義務を怠らなかったこと」を証明しない限り、未成年者が起こした損害を賠償すべき責任を負います。

 

3.子どもに損害賠償義務があっても親に請求できるケース

子どもに責任能力が認められて損害賠償請求できるとしても、子どもには支払い能力が無いので満足な賠償を期待しにくいものです。子どもに責任が認められる場合でも親に責任を追及できないのでしょうか?

3-1.親による監督不行届が直接不法行為となる場合

子ども自身が損害賠償義務を負う場合、親には監督者責任は認められません。ただし親による監督不行届が「親自身の不法行為」と評価できる場合には、親に通常の「不法行為責任」が発生します。

たとえば子どもが無免許で車を乗り回しているのを知りつつ注意もせず放置していたり、無免許の子どもが車を運転しやすいように鍵を共用にして車を自由に使える状態にしていたりした場合などには、親に責任を問いやすいでしょう。

 

3-2.親に運行供用者責任が発生する場合

親が車を所有している場合、親に「運行供用者責任」を問える可能性もあります。運行供用者責任とは、車の運行を支配し利益を得ている人に発生する責任です。通常、車の所有者には運行供用者責任が発生します。

子どもが親名義の車を乗り回していて交通事故を起こした場合、通常親に運行供用者責任が認められます。ただし運行供用者責任によって賠償請求できるのは「人身損害」に限られ、物損については賠償させられません。

 

4.使用者の責任

未成年者が仕事中に事故を起こした場合などには、雇用主に「使用者責任」という責任が発生し、賠償金を請求できる可能性があります。

 

交通事故の相手が未成年で保険が適用されなくても、泣き寝入りする必要はありません。千葉で交通事故に遭われたら、お気軽に当事務所の弁護士までご相談下さい。

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