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失業者の逸失利益について

2019-07-22

「有職者」が交通事故に遭って後遺障害が残ったら、加害者に「逸失利益」を請求できます。

では被害者が「失業者」だった場合、まったく逸失利益を請求できないのでしょうか?

 

実は交通事故当時にたまたま失職していた場合には、当時働いていなくても逸失利益を請求できる可能性があります。

 

今回は失業者が逸失利益を請求できるケースと計算方法について解説していきます。

 

1.逸失利益は「労働によって対価を得ている人」に認められる

逸失利益は、交通事故によって発生する損害賠償金の1種です。

事故によって後遺障害が残ったら、事故前と同じように働くことはできなくなります。すると「労働能力」が低下して、生涯にわたる収入が減額されると考えられます。その減額分の損失が「逸失利益」です。

このように、逸失利益は「働いて収入を得ている(労働によって対価を得ている)」ことが前提となる賠償金なので、そもそも労働をしていない「失業者」には認められないのが原則です。

 

2.失業者でも逸失利益が認められるケース

しかし一定のケースでは、失業者にも逸失利益が認められます。失業者であっても、「たまたま事故当時にリストラなどで失業していただけで、それまでは継続的に働いてきており実際に働く能力もあり、今後も働く予定であった」場合があるからです。

このような場合、事故がなかったら普通に就職をして働いて収入を得ていた蓋然性が高いと言えるので、事故で後遺障害が残り、思うように働けなくなったら逸失利益を認めても不都合はありません。

 

3.失業者に逸失利益が認められる基準

失業者に逸失利益を認める場合、以下の要件を満たす必要があります。

3-1.就労能力がある

事故時たまたま失業していたとしても、本人に仕事をするだけの能力があったことが必要です。もともと労働能力が低かった方の場合、後遺障害が残ったことによって働けなくなったとは言えないので逸失利益は認められません。

3-2.就労意欲がある

事故当時、本人に就労意欲があったことが要求されます。労働能力があった方でも本人に働く気持ちがなかったのであれば、失われた利益は観念できないからです。

3-3.実際に就労する高い蓋然性があった

3つ目に、実際に就労する蓋然性が高かったことも必要です。具体的には転職活動を行っていたり内定をもらっていたりした事情です。

 

上記の3つの要件を満たせば、事故当時たまたま失業していたとしても逸失利益が認められます。

 

4.失業者の逸失利益計算方法は?

失業者の場合、逸失利益をどのようにして計算すべきかが問題です。通常逸失利益を計算するときには「事故前の実収入」を「基礎収入」としますが、失業者の場合には実収入がないので原則的な方法では計算できないからです。

 

失業者の場合、基本的には「失業前の収入」を参考にします。

再就職するとしても、失業前の収入と同等の金額を得るだろうと予測されるからです。

具体的な内定先が決まっていた場合などには、内定先の給与基準を用いるケースもあります。

また本人に通常程度の労働能力があるにもかかわらず、失業前の収入が通常に比して低額だった場合には、再就職すれば平均賃金程度は得られるだろうと考えられるので、男女別、職種別、学歴別などの平均賃金を使って基礎収入を算定します。

 

5.失業者が高齢であった場合

失業者が高齢の場合でも、逸失利益を請求できます。

ただし高齢者が失業中の場合、若い人よりも「就労の蓋然性」や「就労能力」が低くなるので、逸失利益が認められにくくなります。

専門技能を持っている場合や事故の直近まで働いていた場合、具体的な就労予定があった場合などでなければ逸失利益は認めにくいでしょう。

 

また高齢の場合、「基礎収入」算定の際にも注意が必要です。通常の男女別の平均賃金を使うと高額になりすぎる可能性が高くなるからです。通常は平均賃金を割合的に減額したり、年齢別の平均賃金を使ったりして金額を調整しています。

 

交通事故で後遺障害が残った場合、逸失利益が認められるか認められないかで大きく賠償金額が変わってきます。千葉で交通事故に遭われて対応に悩まれたら、弁護士までご相談下さい。

公務員の逸失利益について

2019-07-08

事故前に仕事をしていた人が交通事故に遭い、後遺障害が残ったら「逸失利益」を請求できます。

ただし被害者が公務員の場合、他のケースとは異なる取扱いをされる可能性があるので注意が必要です。

 

以下では公務員の逸失利益計算の特殊性について解説します。

 

1.減収が発生しないケースがある

一般的に後遺障害が残ったケースで逸失利益が発生するのは、後遺障害によって労働能力が低下し「減収が発生するから」です。逸失利益とは、「労働能力が失われたことによって発生する減収」に対する補償ですので、減収の発生を前提としています。

裁判所も、軽度な後遺障害で減収が発生しない場合、基本的には逸失利益を認めないという考え方を採用しています。

 

ところが公務員の場合、後遺障害が残っても減収が発生しないケースが多々あります。

多少の症状であれば、従来と同じように勤務を継続できるケースも多いですし、勤続年数に応じて事故に遭わなかった同僚と同じように昇給もしていきます。

保険会社は「減収が発生していない」として逸失利益を否定するケースが多々あります。

 

ただし、以下のように一定の要件を満たす場合には、比較的軽度な後遺障害で減収が発生していなくも逸失利益を認められる可能性があります。

  • 退職や転職を余儀なくされる可能性がある

将来、後遺障害の影響で働けなくなって退職、転職する可能性があれば逸失利益が認められやすいです。

  • 業務に支障が発生している

仕事を続けられているが、実際には後遺障害によって業務に支障が発生しているケースも逸失利益を認められる可能性があります。

  • 減収が発生しないように本人が特別な努力をしている

本来は仕事ができなくなったりして減収が発生するはずであるところ、本人が特別努力をすることでカバーしているケースでも逸失利益を認められる可能性があります。

  • 昇給や昇進、転職において不利益を受ける可能性がある

将来の昇給や昇進、また転職する際に、後遺障害の影響で不利益を受けるおそれがあれば、逸失利益が認められる可能性があります。

 

特に後遺障害の程度が重いケースでは減収が発生していなくても逸失利益を認められやすくなっています。

 

公務員で保険会社から逸失利益を否定されても諦める必要はありません。

 

2.将来の昇給を証明しやすい

一般的なサラリーマンや自営業者などの被害者の場合、逸失利益を計算する際には「事故前の基礎収入」を使って計算します。これは「今後もずっと事故前の収入のまま変わらない」ことが前提となっている計算方法です。

一方公務員の場合、勤続年数が増えると横並びで昇給していくケースが多数であり、事故前のまま収入が固定されることは考えにくいものです。

そこで事故後の昇給を具体的に証明することにより、将来の昇給を勘案して基礎収入を算定してもらえる可能性があります。すると、基礎収入が上がって逸失利益の金額が増額されます。

 

保険会社が認めなくても、手元に将来の昇給を具体的に証明する資料があれば裁判で逸失利益を増額させられる可能性があります。

 

3.定年がはっきりしている

公務員は、一般のサラリーマンと比べて定年がはっきりしていますが、定年後は公務員としての収入を得られなくなるので、基礎収入が減少することが予想されます。

よって公務員の場合、定年後の逸失利益を減額計算される可能性があります。

具体的には、定年後については賃金センサスの平均賃金を何割か減少した数字を基礎収入として算定されたりします。

 

公務員の場合には他の被害者よりも逸失利益を否定されたり減額されたりする可能性も高く、注意が必要です。

保険会社から逸失利益を否定されても、裁判をすれば認められるケースも珍しくありません。「公務員は逸失利益を認められない」と言われていてもそのまま受け入れず、一度弁護士までご相談下さい。

逸失利益が認められにくい後遺障害と否定されたときの対処方法

2019-07-01

交通事故で後遺障害が残ったら、基本的に「逸失利益」が発生します。

しかしケースによっては後遺障害が残っても逸失利益を否定されます。

逸失利益を否定されやすい後遺障害としては、外貌醜状や脚の短縮障害、歯の後遺障害などがあります。

 

以下では逸失利益を否定されやすい後遺障害と、逸失利益を否定されたときの対処方法について、解説します。

 

1.外貌醜状

交通事故で「外貌醜状」の後遺障害が残ったとき、保険会社は「逸失利益を払わない」と言ってくるケースが多々あります。

外貌醜状とは、顔や首、頭などの日常的に露出する部分にあざや傷跡が残ったときに認定される後遺障害です。外貌醜状の場合、傷跡が残るだけで身体的な機能の低下がないので、精神的苦痛はあっても労働能力が失われませんし、減収が発生しないケースも多々あります。そこで、後遺障害によっても失われた利益がないとして、逸失利益が否定されやすいのです。

 

ただしモデルや俳優などの人前に出る仕事の場合には、外貌醜状によって仕事が制限されるので逸失利益が認められます。また営業マンなどのケースでも、仕事をとりにくくなる可能性が高く、逸失利益が認められる可能性があります。

 

また外貌醜状で逸失利益を否定された場合には、その分「後遺障害慰謝料」を増額してもらえるケースが多数です。

 

2.軽度の脚の短縮傷害

交通事故で骨折すると、一方の脚が他方の脚より短くなってしまうケースがあります。その場合「下肢の短縮障害」として後遺障害認定されます。

ただ、片脚が1センチ以上3センチ未満短縮しただけの13級8号の場合、労働能力に影響しない職種も多くなってきますので、保険会社が逸失利益を否定するケースが多数です。

 

ただしとび職やスポーツ選手など、脚が少し短くなったことが大きく仕事に影響する場合も考えられ、そういったケースでは逸失利益を請求することが可能です。

 

3.歯の後遺障害

交通事故で顔面を負傷すると、歯を欠損するケースも多数あります。専門的な用語では「歯牙障害」と言います。

交通事故で歯がなくなっても、インプラント治療や入れ歯などを利用すれば物を噛んで飲み込んだりすることは可能ですし、労働能力にも影響しないことが多いでしょう。そこで保険会社は逸失利益を否定してくるケースが多数です。

ただし格闘家やスポーツ選手、力仕事をする方など、歯を食いしばる必要のある仕事の場合には大きな支障が出る場合があり、逸失利益が認められます。

 

4.味覚、嗅覚の後遺障害

交通事故で顔面を負傷したり脳に損傷が及んだりすると、味覚や嗅覚が失われてしまうケースがあります。その場合にも、後遺障害認定されます。

ただ、一般的な事務職などの場合、味覚や嗅覚に障害が残っても仕事に支障がないので逸失利益を否定されやすいです。

ただし調理師には味覚と嗅覚が必須ですし、研究職や芸術家、食品のバイヤーなどでもこれらの感覚を必要とする方がおられます。

味覚、嗅覚の喪失によって仕事をしにくくなったのであれば逸失利益を請求できる可能性があります。

 

5.保険会社が逸失利益を否定した場合の対処方法

交通事故後、後遺障害が残ったのに保険会社が逸失利益を否定する場合には、訴訟を起こすと逸失利益が認められる可能性があります。

保険会社が相場より低い労働能力喪失率を主張する場合にも、裁判によって労働能力喪失率が変更されて逸失利益が増額されるケースも多々あります。

訴訟で逸失利益を否定されても、その分後遺障害慰謝料を増額して全体的に金額が調整されるケースが珍しくありません。

 

後遺障害が残ったとき、保険会社から逸失利益を否定されても、その言い分を鵜呑みにすべきではありません。弁護士にご相談いただけましたら正しい考え方をお伝えしますので、一人で悩まずにお気軽にご相談下さい。

逸失利益の計算例 高額算定されるケースとは

2019-06-24

交通事故によって発生する損害の中で「逸失利益」はもっとも高額になる可能性が高くなっています。

具体的にはどのくらいの数字になるのか、高額になるのはどういったケースなのでしょうか?

 

今回は後遺障害逸失利益の計算例とともに、逸失利益が高額になるケースについてご説明します。

 

1.後遺障害逸失利益の計算式

後遺障害逸失利益を計算するときには、以下の計算式を使います。

 

  • 後遺障害逸失利益=事故前の基礎収入×労働能力喪失率×就労可能年数分のライプニッツ係数

 

詳しくは以下の記事でご説明しています(逸失利益が認められるケースと認められないケース 相場の金額について

 

以下ではこれをあてはめて、具体的な計算例を示します。

 

1-1.後遺障害1級、事故前の年収が400万円のサラリーマン

事故当時35歳のサラリーマンが交通事故に遭い、後遺障害1級となったとしましょう。

事故前の収入は400万円とします。

この場合、後遺障害逸失利益は以下の通りです。

 

400万円×100%×15.803=6321万2千万円

 

事故前の年収は400万円なので、そのまま適用します。

後遺障害が1級なので労働能力喪失率は100%です。

15.803というのは、35歳(就労可能年数32年)に対応するライプニッツ係数です。

 

そこでこの被害者は加害者に対し、後遺障害逸失利益として6321万2千万円を請求できます。

 

1-2.後遺障害7級、事故前の年収が500万円の自営業者

次に事故前の年収が500万円、事故当時28歳の自営業者が交通事故に遭って後遺障害7級になったとしましょう。

この場合、後遺障害逸失利益は以下の通りです。

 

500万円×56%×17.017=4764万4760円

 

事故前の年収は500万円なので、そのまま適用します。

後遺障害が7級なので労働能力喪失率は56%です。

28歳(就労可能年数39年)のライプニッツ係数は17.017なので、これを適用します。

すると、後遺障害逸失利益は4764万4760円となるので、この被害者は加害者に対し、逸失利益として上記の金額を請求できます。

 

1-3.後遺障害12級が認定された33歳の主婦

33歳の主婦が交通事故に遭って12級の後遺障害が残ったとしましょう。事故発生日は2018年10月1日とします。この場合、後遺障害逸失利益の計算式は以下の通りです。

382万 6300円×14%×16.193=867万4298円

 

382万6300円というのは、2018年度の全年齢の女性の平均賃金です。主婦の場合、具体的な収入がないので平均賃金を使って基礎収入を算定します。

後遺障害12級の労働能力喪失率は14%なので、こちらをあてはめます。

33歳なので、就労可能年数である34年に対応するライプニッツ係数である16.193を適用します。

すると、逸失利益としては867万4298円となるので、この被害者は相手方に逸失利益として上記の金額を請求できます。

 

2.逸失利益が高額になる事例

交通事故の被害者の方は「交通事故の損害賠償と言えば慰謝料」と思っていることが多々ありますが逸失利益は慰謝料とは別に認められますし、多くのケースで慰謝料より高額になります。

逸失利益が認められると交通事故の賠償金が大きく上がります。

 

中でも逸失利益が高額になりやすいのは以下のようなケースです。

  • 事故前の年収が高い

被害者の事故前の年収が高い場合、基礎収入が上がるので逸失利益は高額になります。

  • 後遺障害の等級が高い

後遺障害の等級が高いほど労働能力喪失率が高くなるので、逸失利益が高額になります。

  • 事故当時の年齢が低い

事故当時の年齢が低いと逸失利益が認められる期間(就労可能年数)が長くなるので逸失利益は高額になりやすいです。ただし年齢が低いとその分収入も低いケースが多くなるので、必ずしも年齢の高い人より高額になるとは限りません。

 

より高額な逸失利益を支払ってもらうには、高い等級の後遺障害認定を受けること、基礎収入を高めに認定してもらうことが重要です。

 

交通事故の示談交渉を進める際、後遺障害認定を受けていても相手の保険会社から逸失利益の減額を主張されたり否定されたりする例があります。そのようなとき、弁護士が示談交渉を代理したり裁判を起こしたりすると高額な逸失利益が認められる可能性もあります。

逸失利益の計算について不明な点がありましたら、お気軽に弁護士までご相談下さい。

後遺障害逸失利益が認められるケースと認められないケース、相場の金額について

2019-06-17

交通事故で後遺障害が残ったら、加害者に「逸失利益」を請求できる可能性があります。

特に重症のケースでは逸失利益が非常に高額となり、慰謝料をはるかに上回る金額が支払われるケースも多々あります。

 

今回は、交通事故で逸失利益が認められる場合と認められない場合、相場の金額について、ご説明します。

 

1.そもそも逸失利益とは

後遺障害逸失利益とは、交通事故の後遺障害により「労働能力」が低下して得られなくなった将来の収入です。

交通事故で後遺障害が残ると、身体のさまざまな部分が不自由になり、それまでのようには働けなくなって「減収」が発生します。

後遺障害は基本的に一生治らないので、生涯にわたる減収分を「交通事故によって発生した損害」として加害者に請求できるのです。それが逸失利益(失われた利益)です。

 

逸失利益は、基本的に「就労可能年数」の分が認められます。就労可能年数とは、一生のうち「働ける年数」です。人は死ぬまで働き続けられるわけではないので、逸失利益は働ける年数に制限されます。

一般的には就労可能年数は「67歳まで」と考えられています。

 

2.逸失利益が認められるケースと認められないケース

交通事故の被害に遭っても、すべての被害者が逸失利益を請求できるわけではありません。

被害者によって逸失利益が認められるケースと認められないケースがあります。

2-1.逸失利益が認められる被害者

  • 事故前に実際に働いていた人

事故前に働いて収入を得ていた人は、後遺障害によって減収が発生するので逸失利益が認められます。会社員や公務員、自営業者などが典型例です。

  • 家事労働者

主婦や主夫などの家事労働者の場合にも、家族のために行っていた家事労働に経済的な価値があると考えられるので、労働者と同様に逸失利益が認められます。

  • 子どもや学生

子どもや学生は、実際に働いて収入を得ていませんが、将来職に就いて収入を得る蓋然性が高いと考えられるので逸失利益が認められます。

 

2-2.逸失利益が認められない被害者

以下のような人には、逸失利益が認められません。

  • 無職無収入

無職無収入の方は後遺障害が残っても収入が減収することがないので、逸失利益が認められません。生活保護受給者の場合にも、保護費は「収入」ではありませんし後遺障害が残っても保護費は減額されないので逸失利益を請求できません。

  • 不労所得

不動産や株式などの不労所得で生活している人は、労働能力が低下しても減収が発生しないので逸失利益を請求できません。年金生活者も同様です。

 

3.逸失利益の計算方法

逸失利益の計算式は以下の通りです。

  • 逸失利益=基礎収入×労働能力喪失率×就労可能年数に対応するライプニッツ係数

 

基礎収入は、事故前に実際に得ていた収入です。主婦や主夫、子どもなどの場合には賃金センサスの平均賃金を使って計算します。

 

労働能力喪失率は、後遺障害の等級ごとに標準となる数値が定められています。

1級       100%

2級       100%

3級       100%

4級       92%

5級       79%

6級       67%

7級       56%

8級       45%

9級       35%

10級     27%

11級     20%

12級     14%

13級     9%

14級     5%

 

ライプニッツ係数とは、将来受けとる収入を前払い一括で受けとることによって発生する利益を調整するための係数です。本来、将来の収入は毎月毎年受けとるものですが、逸失利益として前払いで受けとると、本来得られないはずの「運用利益」が発生すると考えられるので、その分が差し引かれるのです。

 

4.逸失利益の相場

逸失利益は、後遺障害の等級が高くなればなるほど高額になります。

また事故前の年収が高い人ほど高くなります。

ただ、後遺障害1級~3級の場合であれば5000万円以上になることが多く、1億円を超えるケースもあります。

後遺障害6~9級程度でも数千万円、12級でも1000万円程度にはなるケースが多くなっています。

むち打ちでよくある後遺障害14級の場合には数百万円(~500万円)程度が相場です。

 

交通事故で逸失利益を受けとるには、まずは後遺障害認定を受ける必要があります。症状固定して後遺症が残りそうな方へ弁護士がサポートいたしますので、是非ともご相談下さい。

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