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交通事故後、めまいや耳鳴りが止まらない場合の対処方法

2020-06-29

交通事故に遭うと、「めまい」や「耳鳴り」の辛い症状が続いてしまうケースがよくあります。これらの症状でも後遺障害認定を受けられる可能性があるので、事故後に症状が治まらないようであれば適切な検査を受けて後遺障害認定の手続きを進めましょう。

 

今回は交通事故後のめまいや耳鳴りの原因や対処方法を千葉の弁護士が解説します。

 

1.めまいや耳鳴りの原因

交通事故後のめまいや耳鳴りの原因と考えられる傷病には以下のようなものがあります。

1-1.むちうち

追突事故などに遭ってむちうち(頸椎の損傷)となった場合、めまいや耳鳴りが発生する可能性があります。むちうちとは外的な衝撃によって首の骨である「頸椎」が損傷を受ける傷病で、頸椎捻挫や外傷性頸部症候群、椎間板ヘルニアなどと診断されるケースが多数です。

一般的なむちうちでは首や肩、背中の痛みやコリなどが主症状となりますが、めまいや耳鳴りを伴うケースがあります。

 

1-2.バレ・リュー症候群

バレ・リュー症候群は、交通事故などの外傷をきっかけに自律神経系が乱れ身体中にさまざまな症状が発生する傷病です。むちうちの1種に分類されることもあります。

身体の平衡を保つ自律神経が正常に働かなくなるので、体温調節や発汗作用がうまく機能しなくなったり食欲不振、下痢、動悸息切れ、頭痛などが発生したり倦怠感、疲労感が強くなったりします。

めまいや耳鳴りを伴うケースも多数です。

 

1-3.脳脊髄液減少症

脳脊髄液減少症は、外的な作用によって脳を覆う硬膜やくも膜に穴が空き、中の髄液が漏れ出してしまう傷病です。膜によって保たれている圧のバランスが乱れるため、強い頭痛やめまい・耳鳴りなどの症状が発生します。

 

1-4.軽度外傷性脳挫傷

「脳挫傷」となった場合にもめまいや耳鳴りが発生する可能性があります。軽微な場合には被害者が「脳に傷害を負った」と意識しにくく、MRIなどの画像撮影をしても写りにくいため見過ごされるケースがあり注意が必要な症状です。

 

2.めまいや耳鳴りの治療方法

交通事故後にめまいや耳鳴りが止まらないなら、放置せずに必ず適切な診療科で治療を受けましょう。

  • むちうちの場合

むちうちの治療は「整形外科」で行います。

  • バレ・リュー症候群の場合

バレ・リュー症候群の場合には「ペインクリニック」の受診が有効です。

  • 脳脊髄液減少症や脳挫傷の場合

これらの脳損傷の場合、脳神経外科を受診しましょう。

  • 耳鼻咽喉科

めまいや耳鳴りが続く場合、耳鼻咽喉科で適切な治療や手術を受けられる可能性もあります。

 

まずは自分の症状に応じた病院を受診し、医師の指示に従って治療を進めましょう。

どこの病院に行けばよいか分からない場合、一番症状が近いと思われる傷病に対応した病院を受診してみてください。間違っていれば医師から適切な診療科を紹介してもらえるのが通常です。

 

3.めまいや耳鳴りで認定される後遺障害の等級

交通事故後、治療を終了してもめまいや耳鳴りの症状が残った場合、後遺障害認定される可能性があります。

3-1.12級か14級となるケースが多い

めまいや耳鳴りが残った場合に認定される等級は、多くのケースで12級または14級となります。

 

3-2.12級となる場合

12級となるのは椎間板ヘルニアなどの傷病をMRIで医学的に証明できる場合、耳鳴りなら「聴力検査(ピッチマッチ検査とラウドネスバランス検査)」で耳鳴りを医学的に証明できる場合です。後遺障害慰謝料は290万円程度となります。

3-3.14級となる場合

MRIや聴力検査などで症状を証明できなくても、そういった症状があることを合理的に説明できる状況であれば14級が認定されます。後遺障害慰謝料は110万円程度です。

 

4.めまいや耳鳴りで適正な賠償金を受け取るために

めまいや耳鳴りの後遺障害が残ったら、まずは後遺障害認定を受けることが第一です。認定されなければ後遺障害慰謝料も逸失利益も受け取れず、賠償金が大きく下がってしまいます。

 

検査結果などの資料を集めて適切に後遺障害認定の手続きを進めるには、弁護士によるサポートが必要です。当事務所では交通事故の被害者様へのサポートに力を入れて取り組んでいますので、めまいや耳鳴り、むちうちなどの症状にお困りの方はぜひとも一度、ご相談ください。

遷延性意識障害になった場合の注意点

2020-02-05

交通事故では被害者が意識を失ったまま回復せず、いわゆる「植物状態」となってしまうケースがあります。植物状態を医学的に「遷延性意識障害」といいます。

遷延性意識障害になると、被害者には一生介護が必要となりご家族には大変な負担がかかりますし、示談交渉の際などにもいろいろな注意点があります。

 

今回は被害者が遷延性意識障害となったときの注意点について、弁護士が解説します。

 

1.遷延性意識障害の認定要件

交通事故で意識障害となり、長期にわたって回復せず以下の要件を満たせば「遷延性意識障害」と認定されます。

 

  • 自力では移動できない
  • 自力では摂食できない
  • 大小便のコントロールができない(失禁状態)
  • 眼球で物を追うことはあっても認識できない
  • 発語することはあっても意味のある言葉を発せない
  • 簡単な反応(目をつぶる、手を握り返すなど)はあってもコミュニケーションをとれない

 

上記の6つのすべてを満たす状態が3か月以上続いたときに「遷延性意識障害」と判断されます。

 

2.遷延性意識障害となった場合の問題点

交通事故で被害者が遷延性意識障害となった場合、通常の事故とは異なり以下のような点に注意が必要です。

2-1.長期間受け入れてくれる施設が少ない

被害者が交通事故で意識障害に陥ったら、通常は病院へ運ばれて治療を受けることになるでしょう。

遷延性意識障害の場合、急性の状態が落ち着いても意識が回復しないので、入院が長期化します。すると、病院から退院を促される可能性があります。病院には次々新しい患者が入院してきますし、3か月が経過すると保険点数が低くなるという経済的な事情もあるためです。

ところが遷延性意識障害の患者を受け入れてくれる施設はそう多くはないので、ご家族が行き先に困るケースがみられます。

2-2.介護場所を決定する必要がある

被害者が遷延性意識障害となった場合、生涯にわたる介護が必要です。その場合「施設で介護」を受けるのか「自宅で介護」をするのか決めなければなりません。

どちらを選択するかで請求できる賠償金額も大きく変わってきますし、ご家族にかかる負担も違ってきます。ご家族は重大な決断を迫られ判断に迷うケースが少なくありません。

2-3.成年後見人を選任する必要がある

遷延性意識障害となった場合、被害者本人は加害者との示談交渉を進められません。

家庭裁判所で「成年後見人」を選任し、後見人が示談交渉や賠償金請求の手続きを行う必要があります。

どうやって後見人を選任すれば良いのか、また誰が成年後見人になるのが良いか、後見人を選任した後や賠償金を受け取った後の対応に迷ってしまうご家族の方もおられます。

 

2-4.保険会社から「生活費控除」を主張されるケースがある

被害者が遷延性意識障害となった場合、保険会社から「生活費控除」を主張されるケースが多々あります。遷延性意識障害の患者は生活のための活動をあまりしないので生活費がかからないはずだと言われるのです。

しかし裁判例では遷延性意識障害のケースでも生活費控除を認めないものがたくさんあるので、そういった主張を安易に受け入れるべきではありません。

2-5.平均余命が短くなると主張される

遷延性意識障害の事例では、生涯にわたる介護費用を請求できます。その際には「平均余命」を使って介護費用を計算します。

ところが保険会社は「遷延性意識障害の患者は一般の人よりも平均余命が短い」と主張して介護費用を減額するよう主張してくるケースがよくあります。

 

このような主張も裁判では認められない可能性が高いので、ご家族としては受け入れるべきではありません。

 

3.交通事故でご家族が遷延性意識障害となったら弁護士へご相談下さい

交通事故で被害者が遷延性意識障害になると、上記のようなさまざまな困難な問題が発生します。不利益を防止しご本人やご家族の権利を守るには、通常の交通事故事案以上に弁護士によるサポートが必要といえるでしょう。

弁護士が介護場所の判断や介護費用の計算、示談交渉などを行います。千葉で交通事故に遭われてお困りのご家族様は、是非とも一度ご相談下さい。

遷延性意識障害で認定される後遺障害の等級と賠償金

2020-01-28

交通事故で被害者が植物状態となり「遷延性意識障害」になったら「後遺障害認定」を受けられます。

今回は遷延性意識障害で認定される後遺障害の等級と賠償金の種類、相場について千葉の弁護士が解説します。

 

1.遷延性意識障害で認定される後遺障害の等級

交通事故で認定される後遺障害には1級から14級までの「等級」があり、1級がもっとも重く14級がもっとも軽い等級です。等級が重くなればなるほど、慰謝料などの賠償金の金額も増額されます。

 

遷延性意識障害の場合、被害者は自力で移動・摂食・大便小便のコントロールなどの生活の基本動作を何もできない極めて重篤な状態となるため認定される後遺障害等級は、もっとも重い1級です。

 

2.遷延性意識障害で請求できる賠償金

被害者が遷延性意識障害となった場合に請求できる賠償金の種類や金額は、以下の通りです。

2-1.治療費

症状固定時までにかかった病院での治療費、検査費用、診断料、投薬料などの費用を、必要かつ相当な範囲で全額請求できます。

 

2-2.付添看護費用

親族が入院中に付き添った場合、1日当たり6,500円程度の付添看護費用を請求できます。

症状固定前に自宅で親族が付き添った場合、自宅における付添看護費用が認められるケースもあります。

2-3.交通費

親族が病院に通うため交通費がかかったケースでは、交通費を請求できます。タクシーを使う必要があればタクシー代も請求できますし、自家用車で通院した場合にはガソリン代と駐車場代、高速代を請求できます。ガソリン代は1キロメートル当たり15円として計算します。

2-4.休業損害

被害者が症状固定するまでの間に会社を休んだりして休業損害が発生したら、加害者へ請求可能です。

2-5.入通院慰謝料

被害者が症状固定するまでの間の入院期間に応じて入通院慰謝料が支払われます。

相場の金額は、入院3か月なら145万円、4か月なら184万円、5か月なら217万円、6か月なら244万円程度です。

2-6.後遺障害慰謝料

遷延性意識障害で後遺障害1級が認定されると、2,800万円程度の後遺傷害慰謝料を請求できます。後遺障害慰謝料は入通院慰謝料とは別途支払われます。

また、ケースによっては家族固有の慰謝料が認められる可能性もあります。

2-7.後遺障害逸失利益

有職者や主婦、子どもなどが遷延性意識障害となって後遺障害認定を受けると「逸失利益」を請求できます。逸失利益とは、働けなくなったことによって得られなくなってしまった将来の収入に相当する損害金です。遷延性意識障害になると、一生働けなくなるので本来得られるはずだった収入を得られなくなり損失が発生します。それを「後遺障害逸失利益」として請求できるのです。

後遺障害逸失利益の金額は、事故前の被害者の年収額や年齢によって異なります。

数千万円となるケースが多く、高額な方は1億円を超えるケースもあります。

 

2-8.介護費用

遷延性意識障害となった場合、ご本人は一生にわたって全面的な介護を要するので平均余命に対応する介護費用を請求できます。

介護費用は、ご家族が介護するのか専門の介護士に依頼するのかで金額が変わってきます。

ご家族が介護する場合、1日あたり8,000円として計算しますが専門の介護士に依頼すると実際にかかる費用を請求できるので金額は上がります。

 

2-9.自宅改装費用

遷延性意識障害で自宅介護をするときには、改装を要するケースがあります。その場合、自宅改装費用も損害賠償金として請求可能です。

 

遷延性意識障害では逸失利益や将来介護費用が高額になるため、賠償金が1億円を超えるケースも少なくありません。ただ、自宅介護を選択するか施設介護を選択するか、家族介護か専門の介護士に依頼するかによっても大きく金額が変わってきます。

一般の方にはどういった対応をとるのが最善か判断しにくいものです。被害者の方が適切な賠償金を受け取るため、迷われたら弁護士までご相談下さい。

むちうちの12級と14級の違い

2019-12-18

交通事故に遭い「むちうち」になってしまう被害者の方が非常にたくさんおられます。

むちうちになると「後遺障害」として認定される可能性がありますが、その際に該当する「等級」が重要です。

交通事故では後遺障害の認定等級が高くなればなるほど賠償金が高額になるからです。

むちうちの場合には12級または14級になる例が多数です。

 

今回はむちうちで12級になるケースと14級になるケースの違い、それぞれの賠償金額の相場などをご紹介します。

 

1.むちうちで12級になるケース

1-1.むちうちとは

むちうちとは、追突事故などに遭って首の骨である頸椎を損傷した場合に発生する症状です。むちうちは一般的な呼称であり、医学的には「頸椎捻挫」「外傷性頸部症候群」「椎間板ヘルニア」「バレ・リュー症候群」「脊髄症」「神経根症」など程度や発症部位によってさまざまに分類されます。

 

むちうちになって後遺障害認定12級の認定を受けられるのは、以下のような場合です。

 

1-2.MRIなどで他覚所見を確認できる

むちうちで12級の認定を受けるには、MRIなどの画像検査で何らかの異常所見を確認できることが必要です。

たとえば事故によって発生した椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄などを確認できれば、後遺障害12級やそれ以上の等級が認定されます。

MRI以外の画像検査としてはレントゲンやCTなどもありますが、むちうちの損傷部位を確認するのにもっとも長けているのはMRIです。レントゲンやCTでは「骨の異常(骨折など)」しか確認できませんが、MRIでは「組織変性」を確認できるからです。

むちうちで12級の認定を受けるためには、精度の高いMRI検査機器を使って患部の撮影をしてもらうことが必須です。

 

2.むちうちで14級になるケース

むちうちで14級になるのはどのようなケースなのでしょうか?

 

それは「自覚症状に合致する症状が発生していると合理的に推認できる場合」です。

MRIなどによって症状を「証明」する必要はありませんが、症状があると合理的に推認されなければなりません。

そのためには、被害者が主張している自覚症状が一貫していること、交通事故の発生状況と合致していること、神経学的検査などの画像以外の検査方法で症状の存在を示すことなどが必要となってきます。

むちうちで画像撮影しても異常を確認できない場合、14級の認定を受けるために通院時からの慎重な対応と後遺障害認定請求する際の工夫が要求されます。

 

3.12級と14級それぞれの賠償金の相場

後遺障害12級や14級が認定されたら、それぞれどのくらいの賠償金を受け取れるのでしょうか?

3-1.12級の賠償金

交通事故で後遺障害が認定された場合、後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益が支払われます。

  • 後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料とは、被害者の受けた精神的苦痛に対する賠償金です。12級の場合の後遺障害慰謝料の相場は290万円です。

  • 後遺障害逸失利益

後遺障害逸失利益とは、後遺障害が残ったことによって将来得られなくなった収入です。金額は、被害者の事故前の年収や年齢により異なります。

12級の場合には500万円を超えるケースが多く、1,000万円前後となる例もあります。

3-2.14級の賠償金

  • 後遺障害慰謝料

14級の場合の後遺障害慰謝料の相場は110万円程度です。

  • 後遺障害逸失利益

14級の場合の後遺障害逸失利益は500万円以下となる例が多数です。

 

4.むちうちで後遺障害認定を受けるために

むちうちになったとき、高額な賠償金を手にするにはまず「後遺障害認定」を受けることが重要です。14級の賠償金は12級より低額ですが、それでも後遺障害なしの事案よりは大幅に金額が上がります。

ご本人で対応されると、どうしても不十分となって適切に後遺障害認定されない可能性が高まります。被害者自身が対応したら後遺障害非該当とされたケースでも、弁護士に依頼すると12級が認定されて1,000万円以上賠償金が増額された事例もあります。

 

当事務所では千葉で交通事故に遭われたみなさんのために積極的な支援を進めています。むちうちになって不安な思いを抱えておられるなら、是非とも一度、ご相談下さい。

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