自転車を趣味とされる方は、競技用の「ロードバイク」を好んで運転するケースがよくあります。ただロードバイクは通常のシティサイクルよりスピードが速く、車道を走行するため交通事故に遭いやすくなっています。
今回はロードバイクでよくある交通事故の原因と対処方法を千葉の弁護士が解説します。
1.ロードバイクでよくある交通事故
ロードバイクとは競技用自転車のことです。きちんとブレーキやランプなどの装置がついているものであれば、公道を走っても違法ではありません。
ただロードバイクは最高速度が時速30キロメートルにもなり急に止まりにくく、ライダーが前傾姿勢になって周囲を確認しにくいなど交通事故につながりやすい特徴をもっています。
ロードバイクでよくあるのは以下のような交通事故です。
1-1.巻き込み事故
四輪車が左折する際に後ろから来たロードバイクを巻き込むパターンです。ロードバイクの速度が速いため、四輪車が「まだ大丈夫だろう」と思って左折するとロードバイクが追いついて巻き込まれてしまいます。
1-2.右折時の事故
ロードバイクが右折する際にも交通事故が発生しやすくなっています。自転車や原付が右折するときには「二段階右折」しなければなりませんが、減速や停止を嫌って車両と同様に1回で右折してしまうロードバイクがあるためです。車にしてみたら、予想外にロードバイクが視界へ飛び出してくることになるので、接触してロードバイクが転倒します。
1-3.信号無視
ロードバイクに乗る人は減速や停車を嫌って信号無視してしまうケースがあります。すると交通事故につながりますし、バイク側の過失割合を高くされてしまうので、信号無視は絶対にしてはなりません。赤信号はもちろんのこと、黄信号でも可能な限り停車しましょう。
2.ロードバイクで事故に遭ったときの対処方法
ロードバイクで交通事故に遭ったら、以下のように対応しましょう。
2-1.すぐに警察を呼ぶ
ロードバイクで交通事故に遭ったら、必ずすぐに警察を呼びましょう。交通事故の当事者が警察を呼ぶのは、道路交通法に定められた義務です(道路交通法72条1項後段)。
また警察を呼ばないと「交通事故証明書」が作成されず、保険金の請求などをしにくくなってしまう可能性もあります。加害者が積極的に警察に電話しない場合、自分で110番通報して警察へ事故の報告をしましょう。
2-2.余裕があったら自転車などを片付ける
もしも余裕があれば、ロードバイクを片付けたりして後続車による二次被害を避けましょう。倒れて動けなければそういった対応は不要です。
2-3.実況見分に対応する
警察がやってきたら実況見分に立ち会って事故の状況を説明しましょう。
2-4.相手と連絡先を交換する、証拠を保存する
警察を待っている間や実況見分の間、事故の相手と氏名や連絡先を交換しましょう。自分でも事故現場を撮影などして証拠化しておくと後に役立つ可能性があります。
2-5.病院に行く
ロードバイクに乗っていて交通事故に遭ったら、大けがをしてそのまま病院に担ぎ込まれる可能性があります。そうでなくても事故後は必ず病院を受診して検査や治療を受けましょう。「軽傷だから」などと思って放置すると、予想外に大きなけがをしていて治療が遅れたり後遺障害認定を受けられなくなったりするおそれがあります。
3.ロードバイク事故と後遺障害
ロードバイクで四輪車相手に交通事故に遭うと、ライダーの身体が大きく傷ついて後遺障害が残るケースも少なくありません。その場合、自賠責で「後遺障害認定」を受ける必要があります。後遺障害が認定されたら高額な「後遺障害慰謝料」と「逸失利益」が支払われ、不自由な身体になったことへの補償を受けられます。
ただし後遺障害認定の手続きには医師との連携や必要十分な検査の実施、資料の提出などの専門的な対応が要求されます。ご自身で対応するよりも弁護士に依頼した方が、より確実に高い等級の認定を受けられる可能性が高くなるでしょう。
千葉県でロードバイクの事故でおけがをされた方がおられましたら、お気軽にご相談ください。