最近では「Uber eats」の流行などもあり、歩行中に自転車に乗った配達員に衝突される事故に遭うリスクが高まっています。
もしも自転車にはねられたら、どのように対処すれば良いのでしょうか?
今回は自転車事故に遭った場合の対処方法をご説明します。
1.Uber eatsで自転車事故の危険が高まっている
コロナウイルス感染症対策のため自宅で過ごす方が増えるにつれて「Uber eats」の利用者も増えています。千葉県でも街を歩いていると、多くのUber eats配達員を目にするでしょう。
Uber eatsは便利ですが、一方で自転車に乗ったUber eatsの配達員が歩行者にケガをさせる事故が増加してしまいました。大阪では、Uber eatsの配達員にケガをさせられた女性が配達員とUber eats運営会社を裁判で訴えた事例もあります。
今の日本では、歩行者としても自転車事故への備えが必要な状況になってきているといえるでしょう。
2.自転車事故に遭った場合の対処方法
もしも自転車事故に遭ってしまったら、以下のように対応しましょう。
2-1.周囲に助けを求める
起き上がれないほどのケガをしてしまったら、周囲に助けを求めましょう。自分で救急車を呼べない場合には周囲の人に救急車を呼んでもらってください。
自転車事故でも骨折などの重傷を負うケースは少なくありません。「たかが自転車事故だから、痛くても我慢しよう」などと考える必要はありません。
2-2.加害者や自転車の特徴を押さえる
もしも加害者の自転車が逃げてしまったら、加害者や自転車の特徴をできるだけ詳しく記録しましょう。
自転車事故であっても、被害者の救護や警察への報告は加害者の義務です。加害者が逃げた場合、警察に捜査を進めてもらって逮捕してもらえる可能性もあります。
ただ、警察に動いてもらうには証拠や加害者に関する情報が必要です。必ず現場で加害者の身長、性別、自転車の大きさや色、新しいか古いかなどの特徴を把握して警察へ情報提供しましょう。
2-3.警察へ連絡する
自転車事故も交通事故の1種なので、車両の運転者は警察へ事故の報告をしなければなりません。加害者が通報しないなら、被害者の立場であっても自分で110番通報しましょう。
2-4.病院へ行く
事故現場での対応が済んだら、すぐに病院へ行ってケガの内容や程度を確認してもらってください。
自転車事故でも治療費や休業損害、慰謝料などを請求できます。その場では気づかなくても予想外に大きなケガをしている可能性があるので、すぐに受診することが重要です。
3.自転車事故で請求できる賠償金
自転車事故でも、基本的に自動車事故と同様の損害賠償ができます。
- 治療費
- 交通費
- 付添看護費用、入院雑費
- 休業損害
- 入通院慰謝料
- 後遺障害慰謝料
- 後遺障害逸失利益
- 破損したものの弁償代
不幸にも被害者が死亡してしまったケースでは、遺族が加害者へ死亡慰謝料や死亡逸失利益、葬儀代を請求できます。
4.自転車保険について
加害者との示談交渉では、加害者が自転車保険に入っているかどうかで大きく扱いが異なります。
自転車保険に入っていたら、多くのケースで示談交渉の相手は自転車保険の担当者となります。また決まった賠償金は必ず自転車保険会社が支払ってくれるでしょう。泣き寝入りのリスクは小さくなるでしょう。
一方加害者が自転車保険に入っていなかったら、加害者本人と示談交渉をしなければなりません。加害者に支払能力がなかったら、誰からも賠償金を払ってもらえない可能性も発生します。
加害者が「払わない」と開き直ったり賠償金請求を無視したりする場合には、裁判をして損害賠償請求を進めましょう。加害者が判決に従わないときには、給料や預貯金などを差し押さえて賠償金を強制的に払わせることも可能です。
5.自転車事故で困ったときには弁護士へ相談を
自転車事故では、加害者がひき逃げするケースが少なくありません。しかし自転車事故も交通事故の1種ですし、加害者には刑罰も課されます。ひき逃げは重大な犯罪(道路交通法違反)となります。
被害者が泣き寝入りする必要はありません。もしも自転車事故の相手が不誠実な態度をとって困ってしまったら、早めに弁護士に相談してください。