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親族が仕事を休んで看護した場合の休業損害

2019-12-24

交通事故に遭うと、入院看護が必要になるケースがあります。

親族に看護してもらったら、親族が仕事を休まねばならない状況も発生するでしょう。その場合、親族の休業損害を請求できるのでしょうか?

 

今回は親族が仕事を休んで被害者の看護をしたときの休業損害について、解説します。

 

1.親族の「休業損害」も支払われる

1-1.親族の休業損害は賠償金に含まれる

一般的に、親族が入院中の被害者に付き添った場合には「付添看護費用」として1日あたり6,500円程度が支払われます。

しかし親族が働いている場合、仕事を休んで付き添ったら6,500円を超える損害が発生するケースも多数あります。その場合、6,500円しか支払われないと、親族が不利益を受けます。

 

実はこのようなとき、親族は加害者に付添看護費用ではなく休業損害を請求できます。

親族の実際の給与額や収入額をもとに1日あたりの基礎収入を算定し、それをもとに付添日数分の休業損害の支払いを求めることが可能です。

 

1-2.親族の休業損害計算の具体例

たとえば直近3か月分の給料額が72万円のサラリーマンの夫が仕事を休んで交通事故に遭った妻に付き添ったとします。

その場合、1日当たりの基礎収入額は8,000円です。15日間付き添ったら12万円の休業損害を請求できます。

 

 

2.「付添看護費」との関係

一般的なケースでは親族が被害者に付き添ったら、1日あたり6,500円程度の付添看護費用が支払われます。上記のように親族に実際に発生した休業損害が支払われる場合、付添看護費用の6,500円はどうなるのでしょうか?

親族が付き添ったことについての損害や手当が「休業損害」として支払われたら、別途付添看護費用が支払われることはありません。同じ損害について二重取りすることになってしまうからです。

たとえば上記の具体例で夫が妻に付き添った場合、夫は1日あたり8,000円の休業損害を請求できますが、それ以上に6,500円をプラスすることはありません。親族が付き添った場合に請求できるのは「1日あたり6,500円」か「実際に発生した休業損害」の「どちらか高い方」となります。

 

3.親族の休業損害が高額な場合

親族が被害者に付き添ったとき、実収入を基準として休業損害を請求できますが「限度」があるので要注意です。

親族の休業損害は「本職の看護師に看護してもらった場合の金額」を超えることができません。親族が付き添うことによって本職の看護師の費用を超えるなら、親族ではなく本職の看護師に依頼して付き添ってもらうのが合理的だからです。

本職の看護師に依頼しないのは被害者側の自由ですが、その場合には休業損害全額ではなく本職の看護師にかかる費用まで減額されます。

具体的に「1日いくらまで」とはっきり定められているわけではありませんが、だいたい1日あたり1~15,000円くらいまでの範囲になるでしょう。

親族が高収入な方の場合、付き添ってもらっても全額の休業損害が出ない可能性が高くなります。

 

4.親族の休業損害が高額でも支払われる特殊なケース

親族が高収入でも、全額の休業損害が支払われるケースが例外的に存在します。それは「どうしてもその親族が付き添わなければならない特殊事情があるケース」です。

そういった事情がある場合、本職の看護師に看護を任せることができないので、親族が仕事を休んで看護して発生した休業損害全額と交通事故に因果関係が認められます。

 

たとえば小さな子どもが交通事故に遭い、母親がどうしても常時付き添わねばならないケースなどでは母親の休業損害が全額認められる可能性があります。

 

 

5.休業損害の計算に疑問を感じたら弁護士にご相談を

交通事故の休業損害計算の場面では、いろいろな法的問題が発生します。保険会社の提示する休業損害額が必ずしも適正なわけではありません。弁護士が示談交渉に対応することで、大幅に増額されるケースも多々あります。

休業損害や付添看護費用の計算で疑問を感じた場合には、どうぞ弁護士までご相談下さい。

労災保険の休業補償と自賠責保険の休業損害の違い

2019-11-05

交通事故に遭い、けがの治療のために仕事を休んだら加害者や保険会社に「休業損害」を請求できます。一方、交通事故が「労災」に該当する場合には労災保険から「休業補償」の支給も受けられます。

 

労災保険の休業補償と自賠責保険の休業損害は異なる制度にもとづく支払いです。

きちんと受けられる補償を受けるため、それぞれの違いや支給される条件等、押さえておきましょう。

 

今回は労災保険の休業補償と自賠責保険の違いについて、弁護士がわかりやすく解説していきます。

 

1.労災保険の休業補償とは

労災保険の休業補償とは、労災(労働災害)が発生したときに被害者が労災保険から受け取れる給付金の1種です。労災でけがなどをしたために働けなくなったとき、4日以上休業したら休業補償が支給されます。

交通事故で休業補償を受け取れるのは、その交通事故が「業務災害」や「通勤災害」に該当するケースです。業務災害とは業務中や業務に起因して発生した災害(けがや病気、後遺障害や死亡)、通勤災害とは通勤途中に発生した災害です。

たとえば営業車の運転中に発生した交通事故、外回りの最中に車にはねられたケース、通勤の途中や帰宅途中に交通事故に遭った場合などには労災保険が適用されて休業補償を受け取れます。

 

2.労災の休業補償の金額

労災の休業補償として支払われる金額は、現実に発生した休業損害額の80%です。

休業補償には「休業補償給付」と「休業特別支給金」があり、休業補償給付が基礎収入の60%、休業特別支給金が基礎収入の20%です。これらを合計した80%が労災保険から支給されます。

このように、労災から支給される休業補償は「休業によって発生した損害の全額」にはならないので注意が必要です。

 

3.自賠責保険の休業損害とは

自賠責保険から支給される休業損害は、交通事故によって発生した休業損害を填補するものです。労災に限らずすべての人身事故に適用されます。

休業損害の計算方法は、以下のとおりです。

  • 1日当たり5,400円×休業日数

ただし1日の基礎収入が5,400円を上回ることを証明できれば、実収入を基準に計算できます。その場合でも1日当たりの基礎収入は19,000円が限度となります。

 

会社員の方などの場合には給与明細や源泉徴収票によって実収入を証明できるので、実収入をベースに休業損害を請求できるのが通常です。

 

自賠責保険や任意保険に請求できる休業損害については「発生した全額(100%)」の支払いを請求できます。休業から3日間の支給制限もありませんし、80%に減額されることもありません。

 

4.休業補償と休業損害の違い

労災の休業補償と自賠責保険の休業損害の違いをまとめると、以下の通りです。

4-1.労災にしか適用されないかどうか

労災保険の休業補償は労災(業務災害や通勤災害)にしか適用されません。自賠責保険の場合、加害者が自賠責保険に加入している限りすべての人身事故に適用されます。

4-2.待機期間があるか

労災保険の休業補償には3日間の待機期間があります。つまり当初の3日は休業しても補償を受けられません。自賠責保険の場合には待機期間はないので1日目から休業損害を請求できます。

4-3.金額

労災保険の休業補償の場合、金額は基礎収入の80%ですが、自賠責保険の場合には基礎収入の全額を受け取れます(ただし収入を証明できた場合に限る)。

 

5.重複した受け取りについて

労災保険と自賠責保険の両方が適用される場合、重複して受け取ることはできるのでしょうか?

 

休業補償も休業損害も、交通事故によって働けなかった分の損害を補填するものです。同じ目的で支払われる補償なので、重複した受け取りは基本的に認められません。

ただし「休業特別支給金」の20%部分については、自賠責保険とは別途支給を受けられます。

交通事故が労災に該当すると、「自賠責保険からの100%+労災の休業特別支給金20%」の合計120%の休業に関する補償金を受け取れる結果になります。

 

労災保険は申請をしないと受け取れないので、業務中や通勤退勤途中に事故に遭ったらきちんと労災保険の手続きを行いましょう。

労災保険の申請方法がわからない場合や申請手続きに会社が協力してくれない場合、弁護士がサポートいたします。休業補償や休業損害をはじめ、交通事故の補償や損害賠償について疑問や悩みがある場合には、御遠慮なく弁護士までご相談下さい。

会社経営者・役員、失業者の休業損害

2019-06-10

会社を経営されている方や役員の方も交通事故に遭う可能性はあります。そういった場合「休業損害」を請求できるのでしょうか?これらの方の場合、一般の労働者の方とは異なる計算方法が適用されるので注意が必要です。

また事故当時失業されていた方であっても、ケースによっては休業損害を請求可能です。

 

今回は、会社経営者や役員、失業者の休業損害について解説します。

 

1.会社経営者や役員の休業損害

休業損害は、交通事故によって働けなくなったことにより発生する損害です。

1-1.労働対価部分のみが基礎収入の算定根拠となる

一般の労働者の方の場合、事故でけがをして入通院するとその期間は働けなくなるので、得られたはずの収入を得られなくなります。その減収は交通事故によって発生したと言えるので、全額を休業損害として請求できます。

 

これに対して会社経営者や役員の方の場合には、必ずしも労働の対価として収入を得ているわけではありません。利益配当部分としての収入が含まれるからです。

利益配当部分の収入は本人が労働しなくても入ってくるので、休業したからと言って失われるものではありません。

 

そこで経営者や役員の方の場合、報酬を「利益配当部分」と「労働対価部分」に分けて「労働対価部分」のみを基礎収入として休業損害を計算します。

 

1-2.労働対価部分の算出方法

休業損害の算定根拠となる労働対価部分は、どのようにして算定するのでしょうか?

これについてはケースバイケースの検討が必要です。会社の規模や経営者の役割、普段の仕事内容によって大きく変わってくるからです。

経営者や役員がほとんど実働していない場合には労働対価部分は少なくなりますが、一人会社で個人事業が法人成りしただけのケースなどでほとんど「社長」が実働して会社を動かしている場合などには100%近く労働対価部分になるケースもあります。

役員や会社経営者の方の休業損害を適切に算定するには、専門的な知識が必要です。

 

2.失業者の休業損害

一方、失業中の方が交通事故に遭われた場合、休業損害を請求できないのでしょうか?

2-1.失業者でも休業損害が認められるケース

休業損害は、「仕事ができなかったことによって発生する損害」です。基本的に「有職者」であることを前提とするので、失業中で無職の状態では認められないのが原則です。

 

ただ、「働ける能力も意欲もあったけれど、リストラされたばかりで事故当時にたまたま失業していただけ」などのケースで一律に休業損害が認められなくなるのも不合理です。

 

そこで、以下のような場合には、失業者でも休業損害が認められる可能性があります。

  • 就職できる能力と意欲があった

本人に働く意欲があり、実際に働く能力が備わっていたことが必要です。これらのどちらが欠けても休業損害は認められません。

  • 実際に就職活動をしていた

実際に就職活動をしていたなど、就業の蓋然性が高かった事情が求められます。

  • 就職が内定していた

実際に就職が内定していた状況であれば、就業の蓋然性が極めて高かったと言えるので、休業損害が認められやすくなります。

 

2-2.失業者の基礎収入

休業損害算定の基礎収入については、就職活動中の方であれば年齢別や学歴別の平均賃金を採用します。就職が内定していた方であれば、就職予定であった会社の賃金規定によって算定するケースもあります。

 

会社経営者や役員の方、あるいは失業者の方など、交通事故の損害賠償金算定の方法は、被害者のおかれた状況によって大きく異なってきます。会社員のように単純に「休業損害証明書を書いてもらえば請求できる」というわけにはいかないケースも多々あります。

休業損害についてわからないことがある方や保険会社とトラブルになっている方は、お早めに弁護士までご相談下さい。

主婦や主夫の休業損害

2019-06-03

主婦や主夫の方が交通事故に遭うと、働けなくなるのでご家族の方に負担がかかってしまいます。このような「家事労働者」の方も、休業損害を請求できます。

 

ただ実収入がないため、どのようにして計算すべきかが問題となるケースが多々あります。

今回は、主婦や主夫の方の休業損害計算方法をご説明します。

 

1.主婦や主夫も休業損害を請求できる

休業損害とは、交通事故で働けない期間が発生したときに得られなくなった収入に相当する損害です。

有職者の方が交通事故によって休業するとその日の収入が入ってこなくなるので、それを損害として加害者に請求できるのです。

主婦や主夫の方の場合、働いても実際にはお金を得ていません。ただ家族のための家事労働には経済的な価値が認められるので、休業損害が認められます。

 

2.主婦や主夫の休業損害計算方法

休業損害は、基本的に「1日あたりの基礎収入×休業日数」として計算します。主婦などの家事労働者の場合、実際に働いていないので1日あたりの基礎収入をいくらとすべきか、問題になりやすいです。

交通事故の賠償金計算方法には「自賠責基準」と「裁判基準」があり、それぞれ計算方法が異なります。

2-1.自賠責基準の場合

自賠責基準は、自賠責保険が保険金を計算する際に使う基準です。

金額は、一律で「5700円×休業日数」となります。

 

2-2.裁判基準の場合

裁判基準は裁判所が賠償金を算定するときに利用する法的な基準です。弁護士が示談交渉をするときにも裁判基準を用います。

裁判基準で主婦や主夫の休業損害を計算するときには、「全年齢の女性の平均賃金」を使います。これによると、だいたい1日1万円程度となります。

 

以上より、主婦や主夫の休業損害は、自賠責基準では1日5700円にしかならないところ、裁判基準では1日1万円程度にもなるので大きな違いが発生します。

保険会社と示談交渉をする際には1日5700円を提示されるケースが多いのですが、そのまま受諾すると損をしてしまう可能性があります。

 

3.兼業主婦の場合

主婦の方の中には、パートなどで働きつつ家事もしている方が多いです。この場合、休業損害をどうやって計算するのでしょうか?

この場合、「パートなどの実収入額」と「全年齢の女性の平均賃金」を比較して、どちらか多い方の金額を基礎収入としています。

「パート代と平均賃金の合算」にはならないので注意しましょう。

 

4.主夫の場合

裁判基準では「全年齢の女性の平均賃金」を使って計算します。男性の主夫の場合にも「女性」の平均賃金を使うのか?と疑問を持たれる方もおられるでしょう。

ただ男性の平均賃金を使うと1日あたり15000円程度になってしまい、女性の主婦と格差が発生してしまいます。

そこで主夫の場合にも「全年齢の女性の平均賃金(1日約1万円)」を適用して計算します。

 

5.高齢の主婦の場合

高齢の主婦の方の場合や補助的に家事を手伝っている方の場合には、全額の休業損害が認められない可能性があります。

たとえば母親と同居して家事を手伝っている娘や、娘夫婦と同居して家事を手伝っている高齢の母親の場合などでは、割合的に減額された数値が適用されます。

 

6.1人暮らしの方の場合

主婦とは言っても、夫に先立たれたり離婚・別居していたり子どもも独立していたりして、1人暮らしをなさっている方もおられます。

1人暮らしの場合、基本的に休業損害は認められません。家事労働は人のために行う場合に対価性を認められるのであり、自分のための家事には経済的な価値がないと考えられるからです。

ただし、離れて住んでいる家族のために定期的に家事をしに行っていたなどの事情があれば、その分の休業損害が認められる可能性があります。

 

主婦の方が交通事故に遭うと、保険会社との間で休業損害についてのトラブルが発生するケースが多々あります。正しい考え方がわからない場合には、お気軽に弁護士までご相談下さい。

自営業者の休業損害

2019-05-27

個人事業で店舗を経営している方やフリーランスで仕事をされている方が交通事故に遭ってけがをしたら、加害者へ休業損害を請求できます。

その際どのくらい金額を請求できるのか、また申告書の数字と実際の収入が異なるとき、申告をしていないとき、赤字の場合、昨年度より大幅に増収増益となっている場合にどうなるのかなど、必要な知識を解説していきます。

 

1.自営業者の基本的な休業損害計算方法

休業損害を計算する場合には、基本的に以下の計算式で計算をします。

  • 1日あたりの基礎収入×休業日数

 

休業日数は現実に休んだ日数となりますから、あとは「1日あたりの基礎収入」をどうやって算定するかが問題です。

 

自営業者の場合には、事故の前年度の確定申告書の「所得」を参考にして基礎収入を算定するのが通常です。「所得」には、売上額から経費の金額を引いた利益の金額が書かれています。

ただし、事業を続けている限りたとえ休んでも「固定経費」はかかり続けます。そこで固定経費については所得に足して基礎収入を算定することが認められます。たとえば以下のような経費が、加算対象になります。

  • 店舗や事務所の地代や家賃
  • 駐車場代
  • 水道光熱費
  • 自動車保険料
  • 火災保険料
  • 自動車税
  • 個人事業税

 

また所得を計算するときには青色申告の特別控除なども引かれていますが、これについては実際にはかかっていない経費なので、その金額も足します。

 

その合計額を、365日(うるう年の場合には366日)で割り算をして、1日あたりの基礎収入額を算定します。

 

2.確定申告書の記載と実際の収入が異なるとき

自営業者の場合、申告書に現実の収支と異なる記載をしている方がおられます。

申告書には少なめの収入を記載している場合、それを基準にされると休業損害の金額を減らされてしまいます。現実の収入を基礎として計算してもらうことはできないのでしょうか?

これについては、現実の収入を何らかの形で証明できれば請求できる可能性があります。たとえば通帳への入出金や帳簿類などの記録から実際の利益が判明するケースです。

ただ、通帳の記録のみから売上げと経費の支払いのすべてを立証するのは難しくなることも多いです。

 

3.赤字の場合

次に問題になりやすいのが、赤字の個人事業者です。赤字になっていたら収入は0なので、休業損害は認められないのでしょうか?

たとえ赤字であっても生活を維持するために働いているのですから損害が0というのは不合理です。そこで赤字の個人事業者にも休業損害が認められます。

計算の際には、赤字でも必ず支払わねばならない「固定経費」の分の合計額を参考にしたり、年齢別や業種別の平均賃金を参照したりして基礎収入を算定します。

 

4.申告していないとき

自営業者の場合、確定申告をしていないケースもあります。その場合には休業損害が認められないのでしょうか?

この場合にも、実際に収入があることを立証できれば休業損害を請求できる可能性があります。収入の資料がなければ平均賃金などを使って計算します。

 

5.昨年より大幅に増収増益となっている場合

自営業者の場合、昨年度よりも大幅に店舗展開など進めて劇的な増収増益となっているケースもあります。そのような場合、昨年度の収入をベースに基礎収入を算定されると不合理です。

こういったケースでは、昨年から今年度の売上げが大きく上がっている事実を証明できれば、増収増益したことを前提に基礎収入を算定できる可能性があります。

 

6.休業日数の証明方法

入院日数については問題なく認められるでしょうけれど、通院日数や自宅療養の日数については医師に診断書を書いてもらうなどして、慎重に対応する必要があります。それ以外にも休業日を顧客に知らせる書面、ネット上の営業日に関する画面、帳簿などのさまざまな資料を集めましょう。

 

自営業者が交通事故に遭うと、サラリーマンの方以上に難しい問題が発生するケースが多々あります。対応に迷われましたら、お早めに弁護士までご相談下さい。

休業損害の基礎知識と基本的な計算方法

2019-05-20

有職者の方が交通事故に遭ったら、加害者へ休業損害を請求できます。どのような被害者の場合に休業損害が認められて、いくらくらいが相場になるのでしょうか?

 

以下では休業損害の基礎知識と基本的な計算方法をご説明します。

 

1.休業損害とは

休業損害とは、交通事故が原因で働けない期間が発生して、得られるはずだったのに得られなくなった収入に相当する損害です。

仕事をして収入を得ている人は、交通事故がなかったら今まで通り働いて収入を得られたはずです。ところが事故でけがをして入通院したために働けなくなって収入を得られなくなってしまいます。これは交通事故によって発生した損害内容と言えるので、加害者に請求できるのです。

 

休業損害は「人身損害」の1種です。物損事故の場合には対応に追われて仕事を休んでも休業損害を請求できません。

 

2.休業損害が認められる人

休業損害は「仕事ができなくなったことについての損害」ですから、認められるのは基本的に「事故前に働いていた人(有職者)」のみです。

具体的には、以下のような人に休業損害が認められます。

  • 会社員(正社員、契約社員、派遣社員)
  • アルバイト、パート
  • 自営業者
  • フリーランス
  • 主婦、主夫などの家事労働者
  • 経営者や役員(労働対価部分のみ)

 

主婦や主夫の方は働いて収入を得ているわけではありませんが、家族のために家事労働をしており、そこには経済的な価値があると考えられるため休業損害が認められます。

経営者や会社役員の方の報酬については、全額ではなく「労働の対価としての部分」のみが休業損害の計算対象になります。

 

3.休業損害として認められる損害内容

休業損害として認められる損害の内容は「交通事故によって得られなくなってしまった収入」です。

会社員などの給与所得者の方であれば、休んだ日数分の給料が休業損害となります。

自営業者の方の場合には、休んだ日数分の所得(売上げから経費を引いた金額)が休業損害です。

 

4.サラリーマンの場合によくある問題

サラリーマンの方の場合には、残業代も休業損害計算の基礎に含まれます。休業損害を計算する際には、残業代も含めた事故前3か月分の給料を平均して基礎収入を算定するためです。

また有給を消化したため実際には減収が発生していない場合でも休業損害を請求できます。

賞与が減額された場合にはその分も休業損害として請求できますし、昇進や昇給が見送られた場合には、そういった損失分も相手に請求できるケースがあります。ただし賞与の減額分や昇進昇給できなかった分の損失については、明確に証明できないと請求は困難となります。就業規則や給与規定でわかりやすく規定されており、会社が賞与減額証明書等を書いてくれると請求は容易になります。

 

5.休業損害の基本的な計算方法

休業損害は、基本的に以下の計算式で計算します。

  • 1日あたりの基礎収入×休業日数

 

5-1.1日あたりの基礎収入について

1日あたりの基礎収入の金額は、自賠責基準と裁判基準で異なります。

自賠責基準の場合には基本的に一律で5700円となります。ただし給与明細書などで明確に証明できる場合には19000円まで増額可能です。

 

一方裁判基準の場合には実収入を基準とします。

サラリーマンの方の場合には事故前の3か月分の平均給与額を基礎として計算します。

自営業者の場合には、事故の前年度の確定申告書の「所得」の数字を基本とします。

主婦の方など実収入がない場合には、賃金センサスの平均賃金を使います。たとえば主婦の場合には全年齢の女性の平均賃金を採用し、1日1万円程度となります。

 

5-2.休業日数について

休業日数について、サラリーマンの場合は会社に「休業損害証明書」を作成してもらって証明します。

自営業者や主婦などの方の場合には、医師に診断書を書いてもらうなどして証明しなければなりません。

 

以上が交通事故で請求できる休業損害の基本的な考え方です。事故に遭われて休業損害についてお知りになりたい方は、お気軽に弁護士までご相談下さい。

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