交通事故の加害者が負う3種類の責任と適切な対処方法

交通事故を起こしてしまったら、加害者にどのような責任が発生するかご存知でしょうか?

法的・制度的には以下の3種類の責任が発生します。

  • 民事責任
  • 刑事責任
  • 行政上の責任

 

以下でそれぞれの具体的な内容と対処方法を説明していきます。

 

1.民事責任

民事責任とは、交通事故の被害者へ損害賠償をしなければならない責任です。

 

交通事故の被害者にはさまざまな損害が発生します。

車が壊れたら修理費用が必要ですし代車費用や評価損害が発生するケースもあります。

けがをさせたら治療費や休業損害が発生しますし、後遺障害が残ったらその補償も必要です。死亡させたら遺族に慰謝料や逸失利益を支払わねばなりません。

 

交通事故の加害者にはこうした損害賠償金を支払う義務があります。大きな損害を発生させると数千万円や億単位の賠償金支払義務が発生する可能性もあります。

支払いができない場合、被害者や被害者の遺族から訴訟を起こされ、判決が出たら資産や給料などを取り立てられます。どうしても支払いができなければ自己破産をするしかありませんが、人身損害については破産しても免責されない可能性もあります。

 

対処方法

交通事故を起こしたときの民事責任に対応するには、きっちり保険に加入しておくことが何より重要です。任意保険の「対物賠償責任保険」「対人賠償責任保険」に入っておけば、賠償金については保険会社が支払ってくれます。ただし保険金は「限度額」までしか支払われないので、特に対人賠償責任保険については必ず「限度額」を無制限にしておくことをお勧めします。

 

2.刑事責任

刑事責任とは、犯罪行為をしたものに刑罰が適用される責任です。交通事故の中でも「人身事故」を起こすと「自動車運転処罰法」という法律によって刑罰を科される可能性があります。

自動車運転処罰法によって規定されている交通犯罪は、主に以下の2種類です。

2-1.過失運転致死傷罪

故意や過失によって交通事故を起こし、被害者を死傷させた場合に成立する犯罪です。通常の交通事故の加害者には過失運転致死傷罪が成立すると考えましょう。刑罰は7年以下の懲役または禁固もしくは100万円以下の罰金刑です。

 

2-2.危険運転致死傷罪

危険運転致死傷罪は、故意や、故意とも同視できるくらいに重大な過失によって発生させた悪質な交通事故の加害者に成立する犯罪です。故意に人が集まっている場所に車でつっこんだり酩酊状態で運転していて危険な交通事故を起こしたり異常なスピードを出して人を死傷させたときなどに成立します。

刑罰は、傷害の場合に15年以下の懲役刑、死亡させた場合には1年以上の有期懲役刑となります。

また交通事故時に飲酒運転や無免許運転をしていたりひき逃げしたりすると「道路交通法違反」となりさらに重い罪が適用されます。

対処方法

刑事責任に対処するには、検察官や裁判所へ「良い情状」を立証する必要があります。

たとえば被疑者(被告人)がしっかり反省していることを示し、早期に被害者と示談を成立させることで、適用される刑罰が軽くなる可能性があります。そのためには優秀な刑事弁護人に弁護を依頼する対処方法が有効です。

 

3.行政上の責任

交通事故の中でも人身事故を起こすと、運転免許の点数が加算されます。免許の点数が一定以上になると免許の効力を停止されたり免許を取り消されたりします。これを「行政上の責任」といいます。

加算される点数は、起こした交通事故が重大になるほど高くなります。たとえば死亡事故を起こしたら、一回の交通事故でも免許取消となります。

免許を取り消されたら「欠格期間」が発生し、その間は免許の再取得ができなくなります。

対処方法

90日以上の免許の停止や取消処分が行われる際には、公安委員会において「意見の聴取」が行われます。その際に少しでも処分を軽くしてもらえるよう、主張をしたり証拠を提出したりしましょう。

 

交通事故を起こしたとき、受ける不利益をなるべく小さくするには法的な知識と対応するためのスキルが必要です。お困りの際には弁護士がサポートしますので、お早めにご相談下さい。

 

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