低額な慰謝料基準と高額な慰謝料基準

交通事故の慰謝料は、どのようにして計算されるかご存知でしょうか?

実は複数の計算基準があり、どの基準を利用するかによって慰謝料の金額が大きく変わってしまいます。

このページでは、交通事故の低額な慰謝料計算基準と高額な慰謝料計算基準について、弁護士が解説します。

 

1.低額な慰謝料基準と高額な慰謝料基準とは

交通事故の慰謝料計算基準には、低額なものと高額なものがあります。

低額な慰謝料基準は、以下の2つです。

  • 自賠責基準
  • 任意保険会社の基準

高額な慰謝料基準は以下の1つです。

  • 弁護士基準(裁判基準)

自賠責基準とは、自賠責保険で保険金を計算する際に利用されている基準です。国が計算基準を定めているので、一律です。

任意保険基準とは、各任意保険会社が独自に定めている基準です。それぞれの任意保険会社によってばらつきがあり、公表されているものではありません。

弁護士基準(裁判基準)は、法的な基準であり、弁護士が示談交渉をするときや裁判所が判断するときに使っています。

以下で、高額な基準と低額な基準の違いをみてみましょう。

 

2.自賠責基準の入通院慰謝料

交通事故の慰謝料としては「入通院慰謝料」が代表的です。入通院慰謝料は、交通事故で怪我をして入通院治療を受けたときに請求できる慰謝料です。

自賠責基準の入通院慰謝料計算方法は、以下の通りです。

  • 1日当たり4200円×治療期間

治療期間については、総治療期間と実通院日数×2のいずれか少ない方の数字が採用されます。

また自賠責基準では、入院でも通院でも計算方法は同じです。

たとえば通院4か月(120日)で、うち80日病院に行った場合には、4200円×120日=504000円の慰謝料が支払われます。

任意保険基準で計算した場合、だいたい自賠責基準と同じか多少高い程度の金額になります。

 

3.弁護士基準で計算した場合

高額な弁護士基準(裁判基準)の計算方法を利用すると、どうなるのでしょうか?

弁護士基準の場合には、通院日数がある程度少なくても、原則として実通院日数×2に減らされることはありません。また、入院期間があると、通院期間より慰謝料が増額されます。

軽傷の場合と重傷の場合とで計算方法が異なり、軽傷の場合には3分の2程度に減額されます(それでも自賠責基準や任意保険基準よりは高額です)。

たとえば通院4か月の場合、弁護士基準なら67万円または90万円程度になります。

入院1か月、通院3か月なら慰謝料は115万円程度にまで上がります。

(自賠責基準なら504000円)

同じように怪我をして入通院治療を受けているのに、計算方法をどれにするかということだけで、これだけの差額が発生してしまうのです。

高額な基準である弁護士基準を適用するには、示談交渉を弁護士に依頼する必要があります。千葉で交通事故に遭われた方は、よろしければ一度、ご相談ください。

 

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