交通事故の慰謝料が増額されるケース、減額されるケース

人身事故に遭って怪我をしたり死亡したりすると、「慰謝料」が発生します。

慰謝料の金額にはだいたいの相場がありますが、個別のケースによって増額されたり減額されたりする可能性もあります。

増額要素を知っていると、示談交渉の際などにも相手に通常より高額な慰謝料の金額を提示して、多めの示談金を獲得できる可能性があり、有利となります。

 

以下では交通事故の慰謝料が増額されるケースと、反対に減額されてしまうケースについて解説します。

 

1.慰謝料が増額されるケース

慰謝料が増額される事情としては、以下のようなものがあります。

1-1.離婚した、婚約破棄された

交通事故が原因で配偶者との関係を維持できなくなって離婚したり、結婚話が破談になってしまったりすると慰謝料は増額されます。

1-2.退職、失職した

後遺症が残ったりして仕事を続けられなくなって退職したり自営業を廃業せざるを得なくなって失職したりすると、慰謝料は増額されます。

1-3.就職できなくなった

就職が決まっていたのに交通事故によって話が流れてしまった場合、慰謝料が上がります。

1-4.中途退学した、留年した

学生が交通事故に遭って学業を続けられなくなり中途退学した場合や、留年してしまった場合などには慰謝料が増額されます。

1-5.留学、入学できなくなった

入学や留学などが決まっていたのに交通事故によって諦めざるを得なくなったケースなどでも慰謝料が増額されます。

1-6.流産・中絶した

妊婦が交通事故に遭うと、流産したり中絶が必要になったりするケースがあります。そういった場合、生まれていない胎児固有の慰謝料は認められませんが、母親の受ける精神的苦痛が大きくなるため母親の慰謝料が増額されます。

1-7.加害者が不誠実、悪質

加害者が危険運転をしていたなど事故態様が悪質な場合や、損害賠償において加害者が不誠実な態度を取っている場合などには慰謝料が増額されるケースが多くなっています。

1-8.複数の後遺障害に該当している

系列の異なる複数の後遺障害に該当すると、後遺障害等級の「併合」によって等級が加算されるケースがあります。しかし認定等級が14級の場合には等級の加算は行われません。

併合加算がなくても複数の後遺障害が残ると被害者が受ける精神的苦痛は1つの後遺障害のケースよりも大きくなると考えられます。

そこで複数の後遺障害に該当しても等級がアップしなかった場合には慰謝料が増額されて調整される可能性があります。

 

1-9.外貌醜状などで逸失利益が否定された

後遺障害が残った場合でも、外貌醜状や味覚障害、嗅覚障害などの場合には「逸失利益」が否定されるケースがあります。

そのような場合、労働能力は低下しなくても大きな精神的苦痛を受けるであろうという理由で慰謝料が増額される可能性があります。

 

2.慰謝料が減額されるケース

以下のようなケースでは、慰謝料が減額される可能性があります。

2-1.素因減額

素因減額とは、被害者側の事情によって損害が拡大したときに賠償金を全体として減額することです。

素因には「身体的な素因」と「心因的(精神的)な素因」があります。

たとえば被害者にもともと椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄などの症状があり、そのせいでむち打ちなどの症状が悪化してしまったら、身体的素因によって慰謝料が減額される可能性があります。

被害者が悲観的な性格で熱心に治療を受けなかったために治療期間が長引いたケースでは、心因的素因によって慰謝料が減額されるケースがあります。

2-2.損益相殺

損益相殺とは、交通事故を原因として被害者が金銭的な「利益」を受けた場合にその利益の分を賠償金から差し引くことです。

たとえば自賠責保険、任意保険の人身傷害補償保険、労災保険、健康保険の傷病手当金などが損益相殺の対象となります。

2-3.過失相殺

被害者に過失があると、過失割合に応じて過失相殺が行われ、賠償金が全体的に減額されます。

 

交通事故に遭ったら適切に慰謝料を算定して支払いを受ける必要があります。千葉で交通事故に遭われて、賠償金計算方法や相手からの提示額が正しいかどうかわからない場合、お気軽にご相談下さい。

 

無料相談ご予約・お問い合わせ

 

ページの上部へ戻る

トップへ戻る

電話番号リンク 問い合わせバナー