死亡事故の被害者の遺族の立場になったら、どれほど高額な賠償金を受けとっても、気持ちが慰謝されることはないでしょう。
ただ法律的には損害賠償金を受けとることによってしか、被害者の無念を晴らす方法がありません。
死亡事故ではどのくらいの慰謝料が認められるのでしょうか?
このページでは、死亡事故の損害賠償金の適正な相場や計算方法について、解説します
1.死亡事故で請求できる賠償金
死亡事故では、加害者に対してどのような種類の損害賠償金を請求できるのでしょうか?まずは賠償金の費目をみてみましょう。
- 葬儀費用
被害者の葬儀にかかった費用一式を請求できます。葬儀社に支払った費用、お花代、読経代などが認められます。仏壇購入費用や遺体搬送費用、墓碑建立費が認められるケースもあります。
金額的な相場としては150万円を限度として実際にかかった費用が支払われますが、事情によってはそれより高額な費用(200万円くらいまで)が認められるケースもあります。 - 死亡逸失利益
死亡逸失利益とは、被害者が死亡したことにより、得られなくなってしまった将来の収入のことです。
被害者が死亡すると、その後一切働けなくなるので、収入は得られなくなります。そこで、就労可能年数分の逸失利益が損害として認められます。
ただし、死亡すると生活費が不要になるので、計算の際に生活費を控除します。 - 死亡慰謝料
死亡慰謝料は、被害者が死亡によって受けた精神的苦痛や遺族が被害者を失ったことによって受ける精神的苦痛に対する慰謝料です。
2.死亡事故の慰謝料や逸失利益の相場
死亡事故で認められる死亡慰謝料は、どのくらいの金額になるのか、みてみましょう。
被害者が一家の支柱:2800万円
被害者が母親、配偶者:2500万円
その他のケース:2000万円~2500万円
死亡逸失利益は、被害者の事故前の年収や年齢を基準にして計算するので、ケースによって大きく異なります。
被害者の年収が高額な場合には逸失利益は1億円を超えることもあります。子どもの場合、年齢や性別にもよりますが、数千万円程度になります。
3.弁護士に依頼するメリット
死亡事故の場合、適正な相場の賠償金を受けとるには、弁護士に示談交渉を依頼する必要があります。
遺族が自分たちで対応すると、低額な任意保険基準をあてはめられて、賠償金を減額されてしまうからです。
たとえば葬儀費用も、遺族が対応すると任意保険60万円程度に抑えられてしまう可能性がありますし、死亡慰謝料も1200~1300万円程度しか払ってもらえないケースが多いです。
もちろん損害賠償金は被害者の「命の価値」とは違いますが、任意保険会社からこのような低い価格を提示されると、遺族としては耐えがたい気持ちになるものです。
被害者の適正な権利を実現するため、お早めに弁護士までご相談下さい。